西暦1000年前後の中国宋の時代に多く使われ、日本にもたくさん入ってきた茶碗に天目と呼ばれるものがあり、その中でも有名なのが「油滴天目」というものです。
それでは、この「油滴天目」とはどういう意味でしょうか。
また、「曜変天目」とは、どう違うのでしょうか。
この記事では、「油滴天目」と「曜変天目」の違いを分かりやすく説明していきます。
「油滴天目」とは?
「油滴天目」とは、中国の南宋時代に作られたと推定される天目茶碗といわれる陶磁器のなかのひとつのタイプで、釉薬が弾けた後が丸い油滴のように広がっていることからこの名前が付けられました。
模様の美しさによって価値が大きく変わってきます。
「曜変天目」とは?
「曜変天目」とは、同じく中国の南宋時代に作られたと推定される天目茶碗といわれる陶磁器で、特に釉薬が絶妙な模様を作り出し、星や天の川を配置した銀河のように見えるもののことを言います。
天目茶碗の中でも最も価値の高いものとして位置付けられており、日本には国宝と認定された三つしか無いと言われています。
「油滴天目」と「曜変天目」の違い
「油滴天目」と「曜変天目」の違いを、分かりやすく解説します。
この2つの言葉は、中国の宋の時代に流行していた黒や茶色の濃い色で黒い釉薬を塗った陶磁器の種類であることは同じですが、仕上がりの模様が違い、それによって価値が違います。
これらの茶碗は皆、陶磁器を焼く時に釉薬が変化して独特の模様を作り出すことから誕生します。
それを完全にコントロールすることは困難であるため、偶然の産物として出来上がることで、さらに価値は高くなります。
この2つの違いを簡単に説明するなら、表面に油の滴が飛び散ったような模様を作り出しているのが「油滴天目」であり、それが大小の塊になり全体として天の川や細く流れる雲のような複雑な色と模様になったもののことを「曜変天目」というということになります。
したがって、大きな違いは模様の複雑さとそれによって与える感覚の違いになります。
まとめ
この記事では、「油滴天目」と「曜変天目」の違いを、解説してきました。
天目茶碗と呼ばれる陶磁器はもともとは今から1000年以上前に作られたものとして大変貴重なものですが。
その中でも今回取り上げたような模様のものは極めて珍しいものなので通常は見ることもできません。