「朱子学」と「陽明学」の違いとは?分かりやすく解釈

「朱子学」と「陽明学」の違いとは?違い

この記事では、「朱子学」「陽明学」の違いを分かりやすく説明していきます。

「朱子学(しゅしがく)」とは?

「朱子学」とは、中国南宋の学者「朱熹(しゅき)」によってまとめられた儒学の新たな学問体系のことです。

「朱子学」自体は日本での呼称であり、本場の中国では「程朱学」「程朱理学」「程朱学派」と呼ばれています。

「朱子学」では、自然界に上下関係があるように、人間社会でも同じく上下関係や身分制度を重んじるべきであると説いています。

日本では、江戸時代にこの「朱子学」が採用され、保守的な封建社会を作り上げることに大きく貢献しました。

一方、「朱子学」はこの世界や宇宙は全てのものがある法則、すなわち「理」によって支配されており、この世界や宇宙の全てのものは「気」によって出来ているとも説いています。

したがって、これら物事の道理を勉強し、理解することが人を豊かにし、人生を豊かにし、社会を豊かにするとされています。


「陽明学(ようめいがく)」とは?

「陽明学」とは、中国明時代に学者「王陽明(おうようめい)」によってまとめられた儒学の学派の1つです。

教義の中心に「孝」を掲げ、上下関係や身分制度を重んじた「朱子学」を否定し、上下関係や身分に関わらず、いかなる者でも愛し、親しむべきであることを説いています。

また、形式を重んじる「朱子学」に反して、個々の自由な心から生まれる道徳を尊重し、それを行動に移すことが大事であるとも説いています。

幕府体制が敷かれていた日本では、個々が孝に基づいて自由に考え、自由に行動を起こすことを奨励する「陽明学」は危険思想として扱われていました。

そのため、「陽明学」は学問として採用されなかったり、「陽明学者」は島流しとされたのです。


「朱子学」と「陽明学」の違い

「朱子学」は中国南宋の学者「朱熹(しゅき)」によってまとめられた儒学の学問体系の1つであり、主に上下関係を重んじるべきことなどを説いています。

対して、「陽明学」は中国明時代に学者「王陽明(おうようめい)」によってまとめられた儒学の学派の1つであり、「朱子学」を否定し、分け隔てなく他人と親しむべきことなどを説いています。

まとめ

「朱子学」「陽明学」はどちらも儒学から派生した学問ですが、相対する教えを説いているということでした。

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