この記事では、「ご用達(ごようたつ)」と「御用達」(ごようたし)」の意味や違いを分かりやすく説明していきます。
「ご用達(ごようたつ)」とは?
「御用達(ごようたし)」が正しい読み方であり、常用漢字として使われていますが、現代では堅苦しく聞こえる「御」を「お」と表して使われています。
使い方としては、「演歌歌手ご用達のお食事処」といえば、その店は何度も通うほどお気に入りの店と伝えられるわけです。
また、「この銭湯は長距離選手ご用達」といった言い方をすれば、その施設で筋肉のコリや痛みを改善するため何度も通う場所と伝えられます。
「御用達(ごようたし)」とは?
幕府の御用商人【ごようしょうにん】を「御用達(ごようたし)」といいます。
「ご用達」に尊敬語となる「御」を足した言葉であり、地位がある人が欲しいと思う物を見つけたり、お勧めするために品質が良い物を探すといった仕事をするわけです。
「英国貴族御用達の食器」というように、一般人が使うよりも英国王室や政界、皇室といった特別な場所で使われている丁寧な言い方になります。
「ご用達(ごようたつ)」と「御用達(ごようたし)」の違い
「ご用達(ごようたつ)」と「御用達(ごようたし)」の違いを、分かりやすく解説します。
「この寿司屋は歌舞伎役者御用達です」といった言い方をするように、芸能人がよく使う施設や店であることを人に伝えるため使う言葉です。
最近よく使われるようになった言葉であるため、常用漢字としては使われていません。
よく使われているのが雑誌やSNSといった若者が集まる場になります。
もう一方の「御用達(ごようたし)」は、江戸時代に特権的商人として幕府に仕えていた人を指す言葉です。
安全に使える物を見つけては納めるのが仕事になる御用商人を指し、お金がある人や、位が高い者からどのような物が欲しいか聞き、それに見合う商品をお勧めするのが仕事になります。
「ご用達」の例文
・『人気歌手ご用達のホテルに行き、食事やエステを満喫した』
・『米国のセレブご用達の船は、2年先まで予約が取れない』
「御用達」の例文
・『この車は政治家御用達なので、中が見えにくい仕様になっている』
・『会長の御用達は、大手百貨店で高級なお酒を選んで納品している』
まとめ
似ている意味として使われている言葉ですが、江戸時代から地位が高い人の間で使われていたのが「御用達」で、現代では有名人のお気に入りの店を「ご用達」と言うと覚えておくといいでしょう。