この記事では、「御霊前」と「お悔やみ」の意味や違いを分かりやすく説明していきます。
「お悔やみ」とは?
家族が亡くなった後、深い悲しみに包まれている遺族に心から同情する気持ちを伝えるのが「お悔やみ」【おくやみ】です。
愛する子供や親、兄弟といった家族が亡くなったとき、精神的に苦痛で辛いと感じて食事もできない状態である人に対して悲しみを分かち合う気持ちを伝えます。
主に、個人が亡くなった人を偲び、残された家族に哀悼する気持ちを示す言葉です。
「御霊前」とは?
知人や友人が亡くなったとき、霊の前にお供えするものを「御霊前」【ごれいぜん】といいます。
亡くなった人がこの世とあの世を行き来する四十九日になるまでは死者を霊と表しますが、この期間を過ぎれば仏になるとされているのです。
そのため、仏になる前に、祭壇へ供える香典や供花はすべて「御霊前」として扱います。
この言葉は故人に失礼がないよう丁寧に示すもので「御霊前」といいますが、この期間を過ぎれば「御物前」となるわけです。
「お悔やみ」と「御霊前」の違い
「お悔やみ」と「御霊前」の違いを、分かりやすく解説します。
亡くなった人の家族が悲しむ気持ちに強く同情して、哀悼する気持ちを伝えるのが「お悔やみ」です。
遺族に対して失礼がないように言葉を選び、なるべく悲しみに寄り添った思いやりが感じられる言葉を述べるようにして、ご冥福を祈ります。
もう一方の「御霊前」は亡くなった人が仏になる四十九日を迎える前に供えるものです。
この言葉が使われるお通夜、葬式の他、告別式で供えるお金を包む香典袋には「御霊前」と黒文字で書くのが礼儀になります。
また、仏教では白と黒の水引が用いられている香典袋か、蓮の花が薄く墨で描かれている袋を選び、無宗教なら無地か白黒の水引であるものを選ぶのが礼儀です。
「お悔やみ」の例文
・『友人代表として、お悔やみの気持ちを言葉にして遺族へ伝えた』
・『香典袋にお悔やみの気持ちを書いた手紙を添えて、すぐに送った』
「御霊前」の例文
・『御霊前の香典袋の中袋に書く金額は、旧字体で書く』
・『御霊前の香典袋に入れるお札は、一度折ってから入れる』
まとめ
知り合いが亡くなったときに使う言葉を2つ取り上げましたが、いずれも残された家族に対して同情する気持ちを持ち、礼儀を守って失礼なく使い分けてみましょう。