この記事では、「我輩」と「吾輩」の意味や違いを分かりやすく説明していきます。
「我輩」とは?
男性が自分のことを「我輩」【わがはい】と伝えるときに使う言葉です。
一人称の人代名詞としても使われている言葉であり、「我輩は楽器をおおいに楽しんだ」と自分が何をしたのか具体的に表すとき、古風な言い方として使います。
現代では、男性が自分を指すときに使う「俺」を、立場が高い人や年配の男性の間では一風変わった言い方で示すとき使っていた言葉です。
「吾輩」とは?
我という言葉を強調して表す一人称として使われているのが「吾輩」【わがはい】です。
使い方としては、「吾輩は犬である」といって、少し気取った言い方をしたい場面で使います。
元々は常用漢字である「我輩」を誤植して生まれた言葉でしたが、あえて小説家の夏目漱石が使ったことで多くの人の間で広まり、現代でも使われるようになりました。
「我輩」と「吾輩」の違い
「我輩」と「吾輩」の違いを、分かりやすく解説します。
尊大な印象を与える「我輩」は、自分という存在が実在することを人に伝えるときに使うのが「我輩」であり、それを少し控えた言い方で使うのが「吾輩」です。
自分を誇示し、偉そうに伝えたいときは「我輩」を使います。
もう一方の「吾輩」と意味はほぼ同じではありますが、「吾」は常用漢字として認められていないところが違う点です。
文学的に自分を指すときに使う言葉になります。
「我輩」の例文
・『我輩は、そのうち世界をも征する大物になると豪語した』
・『料理長の質が高い味を堪能し、我輩はおおいに満足した』
「吾輩」の例文
・『吾輩は猫のように、冒険する気持ちを持ちたい』
・『人から見返りなど求めないのが吾輩の精神である』
まとめ
まったく同じ読み方する言葉を2つ取り上げましたが、「我」を偉そうに伝えるときは「我輩」を、普通に使いこなしたいなら「吾輩」を使うと覚えておくといいでしょう。