この記事では、「ハナカイドウ」と「ミヤマカイドウ」の違いを分かりやすく説明します。
「ハナカイドウ」とは?
ハナカイドウとは、バラ科リンゴ属に属する植物です。
中国が原産で、中国では垂絲海棠(スイシカイドウ)と呼ばれています。
日本では単に「カイドウ」と呼ばれることもあります。
ハナカイドウは、春に淡いピンク色の花を咲かせます。
とても華やかで、中国では美女の代名詞でもありました。
楊貴妃もハナカイドウに例えられています。
また、美しい花を咲かせることから日本各地で植栽が行われてきました。
桜の花に似ていて、樹木全体に花をつけます。
「ミヤマカイドウ」とは?
ミヤマカイドウもバラ科リンゴ属に属する植物で、「ズミ」や「ヒメカイドウ」「コリンゴ」といった名前で呼ばれることもあります。
漢字では「深山海棠」と書きます。
日本では本州の中部から北海道にかけて山に自生しています。
春になると白色やピンク色の花を咲かせ、実もなります。
実は秋になると赤く熟し、食べることもできます。
また、実を使って果実酒を作ることもあるようです。
ミヤマカイドウは、昔から盆栽としても親しまれてきました。
樹皮からは黄色の染料もとれるので、昔から利用されてきた歴史があります。
呼び名の1つである「ズミ」は、染料となることから「染み」という名前がついたという説もあるようです。
「ハナカイドウ」と「ミヤマカイドウ」の違い
ハナカイドウもミヤマカイドウも春になると美しい花を咲かせますが、実がなるかどうかに違いがあります。
ハナカイドウは雄しべが退化していることが多いので、実はなっても結実はしません。
ミヤマカイドウは淡い緑色の実をつけ、秋になると熟して赤くなります。
盆栽として用いられることが多いのは、ミヤマカイドウの方です。
まとめ
ハナカイドウは実をつけませんが、ミヤマカイドウは実をつけます。
ミヤマカイドウの方が、盆栽には向いています。