「先んじて」と「煎じて」はそれぞれどのような意味の言葉なのでしょうか。
今回は、「先んじて」と「煎じて」の違いを解説します。
「先んじて」とは?
「先んじて」とは、「先に行動すること」を意味する言葉です。
「先んじて」の使い方
「さきんじて」と読みます。
比較対象や基準になるものよりも早く行動することを表します。
競争相手が動くよりも先に行動するという意味のほか、出来事が起きるよりも先に行動するという意味でも使います。
「あらかじめ」「前もって」と似たようなニュアンスですが一般的には準備や備えを先にすることではなく本番となる行動を先に起こす場合に用いられる表現です。
「煎じて」とは?
「煎じて」とは、「成分を湯で煮出して」という意味を持つ言葉です。
「煎じて」の使い方
「せんじて」と読みます。
お茶の葉や薬草など特定の効果が期待できる成分が含む物質をお湯の中に入れて煮出すことを指します。
目的となる成分を湯で煮ることで抽出する行為を表し、一般的には茶葉に熱いお湯を注いでお茶を入れたり薬草で薬湯を作ったりする作業を指す言葉です。
本来は鰹節から出汁をとるようなお湯で煮出す行為全般を指す言葉でしたが、現在は主に薬の成分を湯に溶かし出す行為を指す意味で使われています。
「先んじて」と「煎じて」の違い
他よりも先に動くことを意味するのが「先んじて」でお湯に成分を煮出すことを意味するのが「煎じて」と2つの言葉は全く意味が異なります。
「先んじて」の「先」は「せん」と読むことから「先んじて」を「せんじて」と誤読してしまうと「煎じて」と混同する可能性がありますが、本来は混同する要素など全くないほど意味がかけ離れた言葉です。
「先んじて」の例文
・『他社に先んじて商品化に成功する』
・『実用化に先んじて契約を結んでおく』
「煎じて」の例文
・『煎じて飲む薬』
・『ドクダミを煎じてお茶を入れる』
まとめ
「先んじて」と「煎じて」は正しい読み方なら混同するはずがない言葉なので読みと意味をしっかり憶えておきましょう。