この記事では、「傍若無人」と「唯我独尊」の違いを分かりやすく説明していきます。
「傍若無人」とは?
「傍若無人」は「ぼうじゃくぶじん」と読みます。
意味は「周囲に誰もいないかの様に、勝手気ままに振る舞う様子」です。
「傍若無人」の言葉の使い方
「傍若無人」は「傍若+無人」の組み合わせではなく、漢文を日本語読みした言葉です。
中国の歴史書「史記(しき)」の一節に由来しています。
秦(しん)の時代、「燕(えん)」の武人「荊軻(けいか)」は、筑(ちく)という琴に似た楽器の名人である「高漸離(こうぜんり)」と酒を飲んで酔い、大声で歌うなどして騒いでいました。
その様子は「傍かたわらに人無きが若ごとし」と表現され、「まるで傍(かたわら)に人がいないかのような振る舞い」として使われる様になりました。
「唯我独尊」とは?
「唯我独尊」は「ゆいがどくそん」と読みます。
意味は、「この宇宙の中で自分より尊い者はいないこと」です。
「唯我独尊」の言葉の使い方
「唯我独尊」は、「天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)」を略した言葉です。
お釈迦様が誕生した時に、生まれるとすぐ七歩あるいて天地を差し「天上天下唯我独尊」と唱えたとされることに由来しています。
本来は「人は生きているだけで尊い存在である」という意味ですが、次第に「自分が一番」という思い上がりを表す語としても使われる様になりました。
「傍若無人」と「唯我独尊」の違い
「傍若無人」は「周囲に誰もいないかの様に、勝手気ままに振る舞う様子」です。
「唯我独尊」は「この宇宙の中で自分より尊い者はいないこと」です。
「傍若無人」の例文
「傍若無人」の例文は以下の通りです。
・『彼は飲み会で傍若無人に振る舞った』
・『君主は傍若無人に振る舞うものだ』
・『彼はお店で傍若無人に振る舞い出入り禁止になった』
「唯我独尊」の例文
「唯我独尊」の例文は以下の通りです。
・『社長は唯我独尊と教育されてきた』
・『常に唯我独尊と考えて自信を持つ様にする』
・『唯我独尊とばかりに振る舞い周囲から嫌われる』
まとめ
今回は「傍若無人」と「唯我独尊」について紹介しました。
それぞれの違いを理解して、正しく使える様にしておきましょう。