文字の読み書きに関する言葉として「文盲率」と「識字率」があります。
この2つは何を意味しどのような違いがあるのでしょうか。
今回は、「文盲率」と「識字率」の違いを解説します。
「文盲率」とは?
「文盲率」とは、「ある集団における読み書きができない人の割合」を表す言葉です。
「文盲率」の使い方
文字の読めない人のことを「文盲」といいます。
ある集団において読み書きできる人がどのくらいいるかをテストなどの手段で調査し統計をとることで読み書きに関する実態が分かります。
統計から分かる集団の中で読み書きできない人の割合を指す言葉が「文盲率」です。
一般的にはユネスコが世界の国や地域を対象に行なっている統計調査におけるそれぞれの読み書きできない人の割合を指す言葉として使われています。
「識字率」とは?
「識字率」とは、「ある集団における読み書きできる人の割合」を指す言葉です。
「識字率」の使い方
統計調査の対象となった集団において読み書きできる人がどのくらいいるのか、その割合を意味する言葉です。
ユネスコによる国際調査では調査対象を15歳以上としており若年層は対象に含みません。
「文盲率」と「識字率」の違い
ある集団において読み書きできない人の割合が「文盲率」、読み書きできる人の割合が「識字率」です。
「文盲率」と「識字率」の違いは統計データのどこに基準を置くのかであり、2つの関係は同じデータの逆数にあたります。
100人を対象にした調査で読み書きできる人が80人読み書きできない人が20人だった場合「文盲率」は20%、「識字率」は80%です。
「文盲率」の例文
・『教育システムが整っていないので文盲率は80%を超える』
・『教育レベルが上がると文盲率は下がる』
「識字率」の例文
・『識字率の向上が急務だ』
・『日本は世界でトップクラスの識字率である』
まとめ
「文盲率」と「識字率」は同じデータの逆数に当たる関係で読み書きできない人とできる人のどちらを調べているのかで区別されます。
「文盲」という言葉は差別的だという指摘があることから最近は「非識字率」という表現を使うことが多いので注意しましょう。