「就任」と「昇格」はどちらも人事でよく使う言葉ですが、どのような意味の違いで区別されているのでしょうか。
今回は、「就任」と「昇格」の違いを解説します。
「就任」とは?
「就任」とは、「新しく任務や職務に就くこと」を意味する言葉です。
「就任」の使い方
それまでの立場を離れ新しい立場に就くことを意味します。
一般的には会社や役所などの集団において新しい任務や職務を与えられその座に就くことを意味する言葉として使われています。
新たな立場に就く前にどのような立場だったのか、どんな経緯でポストを与えられたのかなどは関係なく任務や職務に新しく就くことそのものを指す意味で使う表現です。
「昇格」とは?
「昇格」とは、「立場が今よりも上に上がること」を意味する言葉です。
「昇格」の使い方
いくつかに分かれている等級のうち現在置かれている等級から上の等級へと移動することを指します。
3級から2級に上がるように上に等級が変わることを意味しますが必ずしも役割や立場そのものが変化するわけではありません。
身分的な上下としての格が上がるという意味でも使いますが一般的には扱いとしての等級が上がることの意味で使うことが多く、役職は変わらずそのままで等級だけが「昇格」することもあります。
「就任」と「昇格」の違い
新しい立場につくのが「就任」、新しい等級に上がるのが「昇格」です、「就任」と「昇格」の大きな違いは「前の立場」です。
「就任」は新しい職務や役職につくことを意味し以前にどのような立場であったのかは無関係なのに対し、「昇格」は下から上に等級が上がることを意味するので変化前は変化後よりも必ず下の立場に位置しています。
降格や左遷など扱いが下になる場合でも「就任」は使えますが「昇格」は使えません。
「就任」の例文
・『知事に就任する』
・『最年少で社長に就任した』
「昇格」の例文
・『A級に昇格した』
・『試験に合格すれば3段に昇格する』
まとめ
「就任」と「昇格」は似ているようではっきりとした意味の違いがある言葉です。
それぞれの言葉が表す意味を正しく理解して使い分けましょう。