「保全」と「保護」の違いとは?分かりやすく解釈

「保全」と「保護」の違いとは?言葉の違い【2語】

「保全」「保護」は似たような意味合いで使われることが多い言葉です。

2つの言葉は具体的にどのような違いで使い分けられているのでしょうか。

今回は、「保全」「保護」の違いを解説します。

「保全」とは?

「保全」とは、「外部の影響からかばい安全な状態を守ること」を意味する言葉です。


「保全」の使い方

「保全」「保」には同じ状態を維持し続けるという意味があります。

「保全」「全」「安全」のことで、安全な状態が続くように外部の影響からかばい立てて守り存続させていく行為が「保全」です。

理想的な状態を維持するため適度に手を加えたり働きかけたりなど管理しながら守っていく行為を表す言葉です。


「保護」とは?

「保護」とは、「影響や脅威が及ばないように守ること」を意味する言葉です。

「保護」の使い方

対象を守ることを意味し変化を及ぼす可能性がある悪い影響や危険につながる脅威から遠ざけて未然に防ぐことを指します。

守る対象の前に立ちはだかるようにして障壁となり守る行為を表す言葉です。

「保全」と「保護」の違い

「保全」「保護」の違いは「関わり方」です。

「保全」は安全で理想的な状態を維持し守り続ける事を表す言葉なので守る対象に維持管理という形で関わりを持ちます。

「保護」は危険な目に合わせないよう守ることを意味する言葉なので対象と外部からの関わりの間に立ちはだかり守りますが対象に直接的な働きかけは行いません。

例えば環境を「保全」する場合は余計な樹木を間引いたり有害動物を駆除したりなど守るため積極的に働きかけますが、環境を「保護」する場合はできる限り干渉せずありのままの自然に任せます。

「保全」の例文

・『環境保全に力を入れる』
・『湿地帯の保全が決まった』

「保護」の例文

・『家出人を保護する』
・『保護した動物を野生に返す』

まとめ

「保全」「保護」は対象との関わり方の違いによって区別されます。

混同して使われることも多いので本来の意味を正しく理解しておきましょう。