この記事では、「時節」と「季節」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「時節」と「季節」の違い
「季節(きせつ)」は、「太陽と地球の位置関係により周期的に変化する気候で、一年をいくつかに分けた時期」を意味しています。
「季節」の言葉は、日本などの温帯気候では「一年を春夏秋冬に分けた四つの時期」を指しています。
「時節」もこの「季節」と同じ意味を持っていますが、それ以外にも複数の意味を持っている点が違っています。
「時節」の表現には、「変化している世の中の動静」や「ある活動をするのにふさわしい時機」といった「季節」が持っていない意味があるのです。
「時節」と「季節」の使い方の違い
「時節」と「季節」には、「自然の景観・気温の実感などで一年をいくつかに区分した時期」を指示して使う共通の使い方があります。
しかし「季節」の言葉は、「時節を見極めて行動しなければならない」のように「その時の社会の情勢」の意味では使えない違いを指摘できます。
「時節」は「新規ビジネスを開始する時節が訪れました」の文章で、「ある活動をするのにベターな時機」を意味して使用できます。
一方、「季節」には「時節」のような「上手くいきやすい好機、ちょうど良い機会の意味」での使い方はありません。
「時節」と「季節」の英語表記の違い
「時節」は、英語を使って表現すると以下になります。
“season”……気候的な変化・自然の推移や天文学的な条件などで一年間をいくつかに分けた時機。
“the times”“the day”……今の時代、この時勢。
“trend”……時代の流れ、世の中の情勢・傾向。
“occasion”……何かをするのに打ってつけの機会・時機。
「季節」は、英語を使用して表記すると以下になります。
“season”……自然の気候の変化や暦の基準によって区分される季節。
「時節」の意味
「時節」とは、「気温・湿度・天気(降水量)・暦などを基準にして、一年間を春夏秋冬のように分けた季節」を意味しています。
「時節」には、この「季節」以外にも下記の二つの意味が備わっています。
一つ目は、「その時々によって移り変わる世の中の情勢や時代の流れ」という意味になります。
二つ目の意味として、「何らかの行動をするのにふさわしい時機・やれば成功しやすい機会(チャンス)」を挙げることができます。
「時節」の使い方
「時節」は「季節」の意味合いで、「長袖シャツが暑く感じるような時節になりました」といった文章で使用できます。
「季節」を意味して、「時節柄(じせつがら)」という定型句的な言い回しも使えます。
「時節」は「動くべき時節を誤れば危ういことになります」のように、「日々移り変わる世間の動静」を示唆して使われます。
また「時節」は「何かをするのに適切な時機・行動すれば上手くいく可能性が高い好機」の意味でも使うことが可能です。
「時節」を使った例文
・『気温が急に高くなった時節柄、冷たいかき氷やアイスクリームがとても美味しく感じられるようになりました。』
・『時節に合わせた衣替えをしたので、着なくなった冬の洋服を押入れにしまいました。』
・『時節を冷静に観察することで、今のあなたが何をすれば良いのかがおのずと見えてくるでしょう』。
・『新しい目標に向かって大胆にチャレンジすべき時節が到来しました。』
・『新型コロナがまだ収束していないこの時節では、海外にビジネスを積極展開するリスクが大きすぎます。』
「時節」の類語
「時節」の類語には、以下の言葉があります。
・『季節(きせつ)』……自然の移ろいに合わせて一年間をいくつかの区分に分類したもの。
・『機会(きかい)』……ある物事をするのに打ってつけのチャンス。
・『情勢(じょうせい)』……推移する物事が見せるその時々の様子や状態。
・『時勢(じせい)』……変わり続けている時代の流れや傾向。
「時節」の対義語
「時節」は「季節・情勢・チャンス」などを意味している言葉で反対の意味を考えにくいため、国語辞典などで正式に定義される「時節」の対義語はありません。
「季節」の意味
「季節」とは、「周期的な気候条件の変化などによって、一年の期間を複数に区分したもの」を意味しています。
「季節」というのは、「温帯気候の地域における春夏秋冬のように、一年間をいくつかに分けたもの」を意味している言葉なのです。
「季節」の区分を規定する要因には、「気候・自然現象の周期的な変化」以外にも「地球に対する太陽の位置」や「公転の影響などの天文学的な条件」、「暦(こよみ)の変化」を挙げることができます。
「季節」の使い方
「季節」の使い方は、「気候の周期・自然の景色・温度湿度の変化などによって、一年間をいくつかに分けた時期」を意味して使います。
例えば、「季節の変化に合わせて、自分好みのファッションを選ぶのが楽しいのです」といった例文で使用することが可能です。
「季節」を使った例文
・『日本では春の季節にお花見を楽しむ習慣がありますが、新型コロナの影響で今年は花見どころではありませんでした。』
・『春夏秋冬の季節の変化と景色を楽しめるのが、温帯気候に属する日本の良さでもあります。』
・『近年は熱中症による死者が続発するほどの異常な猛暑なので、夏の季節を乗り切るのが大変です。』
・『季節の食材をふんだんに使用した創作料理のコースを堪能させて頂きました。』
・『登山はどの季節でも楽しむことができますが、冬の季節の登山は上級者であっても一定の遭難リスクがあります。』
「季節」の類語
「季節」の類語には、以下の言葉があります。
・『四季(しき)』……温帯気候の国・地域における「季節」の典型的な区分。春夏秋冬の4つの期間に分けられた季節。
・『シーズン』……「季節」を意味する英語の“season”のことです。
「季節」の対義語
「季節」は「変化する気候に合わせて、一年を複数の時期に分けたもの」という意味を持っていて反対の意味を想定できないことから、国語辞典などに掲載される「季節」の対義語は存在しないのです。
まとめ
「時節」と「季節」の違いを分かりやすく説明しましたが、いかがだったでしょうか? 「時節」と「季節」の意味・使い方・英語表記の違いや類語・対義語を詳しく知りたい時は、この記事の内容をチェックしてみてください。