「期せずして」と「図らずも」の違いとは?分かりやすく解釈

「期せずして」と「図らずも」の違いとは?分かりやすく解釈言葉の違い【2語】

「期せずして」「図らずも」は似た意味を持つ言葉ですがどのような違いで使い分けられているのでしょうか。

今回は、「期せずして」「図らずも」の違いを解説します。

「期せずして」とは?

「期せずして」とは、「予期していなかったことが起こるさま」を意味する言葉です。


「期せずして」の使い方

物事を計画しあらかじめ時期を定めて備えておくことを「期する」といいます。

スケジュールを組み予定に入れておく様子に対して用いる表現ですが、期することなく物事が発生した時に用いる表現が「期せずして」です。

「期せずして」は予定や期限を定めることを意味する「期する」、否定の助動詞ぬの連用形である「ず」「する」の連用形「し」、接続助詞「て」によって構成される言葉です。

直訳すると「前もって予定していないことを受けて」となり、わかりやすく意味を整理すると「前もって予定していなかったのに何事かが起きる」予という定外であることを表す言葉になります。


「図らずも」とは?

「図らずも」とは、「意図していないのに」という意味を保つ言葉です。

「図らずも」の使い方

あれこれと考えて計画することを「図る」といいます。

「図らずも」「図る」に否定の助動詞「ず」と強調の助詞「も」で構成された言葉で、考えていたものではないことを強調しています。

「期せずして」と「図らずも」の違い

「期せずして」「図らずも」はどちらも事態の発生が想定外だったことを表す言葉です。

予定していたものではない偶然の一致を強調しているのが「期せずして」、思いもかけない突然さを強調しているのが「図らずも」という違いで区別されます。

「期せずして」の例文

・『期せずして意見がまとまった』
・『期せずして席が隣同士になった』

「図らずも」の例文

・『図らずも社長に就任することになった』
・『図らずも事態は終息へと向かっていった』

まとめ

「期せずして」「図らずも」はとてもよく似た意味を持つ言葉です。

明確な基準はないので言葉に含まれる微妙なニュアンスの違いで使い分けましょう。