この記事では、「大腸菌」と「大腸菌群」の違いを分かりやすく説明していきます。
「大腸菌(だいちょうきん)」とは?
「大腸菌」とは、「大腸に存在する悪玉菌」のことです。
「大腸菌」は時間の経過により死に至り、便として体外へと排出されます。
排出された便のうちの10%から15%はこの「大腸菌」の死骸とも言われています。
「大腸菌群(だいちょうきんぐん)」とは?
「大腸菌群」とは、「乳糖を分解してガスと酸を発生させる菌」のことです。
「大腸菌群」は空気や土など、私たちを取り巻く自然の中に広く分布、存在している菌であり、販売されている野菜などからも検出されることがほとんどだと言われています。
「大腸菌群」は熱に弱いですが、加熱調理後の食品から検出された場合、加熱が不十分であったか、包丁やまな板、調理器具や食器などで、手指を介した二次汚染が原因であることが疑われます。
しかし、「大腸菌群」には腸内細菌だけでなく、自然環境に存在している多くの菌種も含まれているため、一概に「大腸菌群」の検出=食品の糞便汚染とは言えないのです。
したがって、生食用のカキのような自然環境からの汚染を受け、かつ加熱処理をせずに食するものについては「糞便系大腸菌群」を指標に用いるケースもあるようです。
「大腸菌」と「大腸菌群」の違い
「大腸菌」と「大腸菌群」の違いを、分かりやすく解説します。
「大腸菌群」は「乳糖を分解してガスと酸を発生させる菌」のことであり、そのカテゴリーの中に含まれる菌の一種が「大腸菌」です。
「大腸菌」や「大腸菌群」は食品が衛生的に取り扱われているかどうかを判断するための指標に利用されていることから「衛生指標菌」と呼ばれています。
また、どちらも検出が容易で培養時間も短く、問題を素早く見つけられるため、食品の微生物基準としても利用されているのです。
まとめ
「大腸菌群」というカテゴリーの中に含まれる菌の一種が「大腸菌」ということでした。