「すこぶる」と「はなはだ」はどちらも物事の程度を表す副詞です。
この2つはどのような違いで使い分ければいいのでしょうか。
今回は、「すこぶる」と「はなはだ」の違いを解説します。
「すこぶる」とは?
「すこぶる」とは、「物事の程度が通常を超えているさま」を表す言葉です。
「すこぶる」の使い方
常識的に考えて予想される水準を大きく上回っている様子を指します。
人の体や心に関する物事の程度に対して用いられる表現で、本来は「ちょっと」「わずか」など程度が少ないことを表す言葉でしたが中世以降に意味が変化し正反対の「とても」「かなり」といった意味で用いられている表現です。
「はなはだ」とは?
「はなはだ」とは、「普通の程度を大きく超えているさま」を意味します。
「はなはだ」の使い方
物事の程度を表す副詞のひとつで、普通の水準を大きく超えている様子に対して用いる表現です。
自らが予想した水準を大きく上回っている、という想定外というニュアンスが含まれる表現であまりいい意味では使いません。
「すこぶる」と「はなはだ」の違い
「すこぶる」と「はなはだ」はどちらも普通や標準を超えている程度の大きさを表す副詞です。
表している量や程度に大きな違いは無く言葉の意味もほぼ同じです。
一般的「すこぶる」は機嫌がとても良いことなど肯定的な意味で使うことが多いのに対し、「はなはだ」は抑えがたい不満など否定的な意味で使うことが多いという違いがあります。
ただし「すこぶる」を機嫌の悪さの表現として使ったり「はなはだ」を満足の意味で用いたりなど例外的な使い方もあるので必ずしも肯定と否定で区別するものではありません。
「すこぶる」の例文
・『青汁を飲み始めてからすこぶる調子がいい』
・『お見舞いに行ったがすこぶる元気だった』
「はなはだ」の例文
・『はなはだ遺憾である』
・『自分の名前を勝手に使われるはなはだ迷惑だ』
まとめ
「すこぶる」と「はなはだ」はとてもよく似た意味の言葉ですがニュアンスの違いで使い分けられます。
それぞれの言葉がもつ微妙な違いに注意して使い分けましょう。