「遺伝子組み換え」と「ゲノム編集」はどちらもバイオ技術に関係する言葉ですが、どのような意味の違いがあるのでしょうか。
今回は、「遺伝子組み換え」と「ゲノム編集」の違いを解説します。
「遺伝子組み換え」とは?
「遺伝子組み換え」とは、「生物の遺伝情報を操作し人為的に新しい性質を加えること」を意味する言葉です。
「遺伝子組み換え」の使い方
生物が遺伝的に受け継ぐ要素を記録した生体情報のことを「遺伝子」といいます。
バイオ技術では人為的に遺伝子の情報を操作することが可能で新品種の開発や病気の治療などに利用されています。
「遺伝子組み換え」とは「別の生物から抽出した遺伝情報を組み込んで生物に新しい性質を加えること」を意味する言葉です。
病気に弱い植物に別の病気に強い植物から抽出した病気耐性の遺伝子を組み込んで病気に対して強い品種を作り出すような「生物が本来持ち得ない性質を付け加える遺伝子操作」を「遺伝子組み換え」といいます。
「ゲノム編集」とは?
「ゲノム編集」とは、「生物が持つ遺伝情報を書き換えること」を意味する言葉です。
「ゲノム編集」の使い方
生物の細胞内にあるDNAに記録された塩基配列による遺伝情報のことを「ゲノム」といいます。
ゲノムに人為的に刺激を与えることによって突然変異を促して生物に変化を起こし目的にあった性質を持つ生物を作り出す行為を「ゲノム編集」といいます。
「遺伝子組み換え」と「ゲノム編集」の違い
「遺伝子組み換え」と「ゲノム編集」の違いは「外部の遺伝子情報を利用するかどうか」です。
生物の細胞に記録されている遺伝子情報に別の生物の遺伝子情報を加えて新たな性質を付け加えるのが「遺伝子組み換え」、外部の遺伝子を利用せず生物の持っている遺伝子情報の突然変異を促して目的の性質を持つ生物を作り出すのが「ゲノム編集」という違いで区別されます。
まとめ
「遺伝子組み換え」と「ゲノム編集」は外部遺伝子の利用で区別されます。
とても高度な技術ですが研究は安全を確認した上で行われています。
過度な警戒や恐怖を避けるためにも正しい知識を知っておきましょう。