「論評」と「評論」は同じような意味で使われる言葉ですが、具体的にどのような違いで区別されているのでしょうか。
今回は、「論評」と「評論」の違いを解説します。
「論評」とは?
「論評」とは、「ある物事の内容について批評すること」を意味する言葉です。
「論評」の使い方
物事の善し悪しや価値について意見を述べることを「批評」といいます。
ある物事について個人的な批評を加えるだけでなく社会的な位置づけやあり方など客観的に論じながら批評を加える行為が「論評」です。
簡単に言えば特定の物事に対してあれこれ述べることを指す言葉で本来は論理性や合理性を有する批評を指しますが、現実的には個人的な感想に終始していたり一方的な偏見や決めつけがあったりなど論理性に欠け客観性が見られない「論評」も存在します。
「評論」とは?
「評論」とは、「特定の物事に対し批評し論ずること」を意味する言葉です。
「評論」の使い方
物事の良し悪しについて話したり作品に対して意見を述べたりなどの意見表明を指します。
基本的にはその分野に関する深い知識を有する専門家によって行われますが、ファンやマニアなど物事に対する思い入れの深い人が独自に行う思い入れを一方的に表明するような活動を含む場合もあります。
「論評」と「評論」の違い
「論評」と「評論」はどちらも物事を論じ批評する行為を表す言葉で大きな意味の違いはありません。
2つの言葉の違いとして「論評」は「論評する」という動詞の形で使われることが多いのに対し、「評論」は「評論を読む」「評論が高く評価される」という名詞の形で使われることが多いという違いがあります。
物事を論じて批評する専門家を「評論家」といいますが「論評家」とはいいません。
話したり書いたりなど身体活動としての要素が強いのが「論評」、発表された文章や物事を論じる行為など活動に対して客観的なのが「評論」という違いでも区別されます。
まとめ
「論評」と「評論」に意味の違いはほとんどありません。
言葉の微妙な意味合いやニュアンスで区別し使い分けてください。