この記事では、「ご厚意に甘えて」と「お言葉に甘えて」の違いを分かりやすく説明していきます。
「ご厚意に甘えて」とは?
「ご厚意に甘えて」とは、相手の申し出や気遣いを受け入れるときに用いられる敬語表現です。
「厚意」は「思いやりのある心」や「相手が自分へ示してくれた気持ち」を意味する言葉であり、「ご厚意」は相手の「厚意」に対して、尊敬を意味する接頭辞「ご」をつけた敬語表現になります。
「ご厚意に甘えて」の言葉の使い方
(相手の助力の申し出を受け入れるとき)「ご厚意に甘えて、お力を拝借いたします」などのように使われています。
「お言葉に甘えて」とは?
「お言葉に甘えて」とは、相手の申し出や気遣いを受け入れるときに用いられる敬語です。
ここでの「言葉」とは「相手がかけてくれた言葉」や「相手の申し出」、「相手の厚意」などを表し、尊敬を意味する接頭辞「お」をつけて敬語表現にしたものが「お言葉」になります。
「お言葉に甘えて」の言葉の使い方
(相手から勧められた食事をいただくとき)「お言葉に甘えて、ありがたく頂戴いたします」などのように使われています。
「ご厚意に甘えて」と「お言葉に甘えて」の違い
「ご厚意に甘えて」と「お言葉に甘えて」はどちらも相手の申し出や気遣いなどを受け入れるときに用いられる言い回しです。
ただし、「ご厚意」は相手からの厚意全般に対して使うことができるのに対し、「お言葉」は相手が言葉にして発した厚意に対してのみ使うことができます。
具体的な例で見ると、相手が無言で用意したコーヒーを受け入れるときは「ご厚意に甘えて」を使うことができますが、「お言葉に甘えて」を使うと不適切になります。
一方、相手の「コーヒーはいかがですか?」という提案に対しては「ご厚意に甘えて」と「お言葉に甘えて」どちらを使っても問題はないと言えるでしょう。
まとめ
「ご厚意に甘えて」と「お言葉に甘えて」はいずれも相手の申し出や気遣いなどを受け入れるときに用いられる敬語表現です。
ただし、「お言葉に甘えて」は相手が言葉にして発した提案に対してのみ使うことができるので、相手の厚意全般に対して使うことができる「ご厚意に甘えて」より使用場面が限定されると言えます。