この記事では、「人面獣心」と「温厚篤実」の違いを分かりやすく説明していきます。
「人面獣心」とは?
「人面獣心」は「じんめんじゅうしん」と読みます。
いみは「人情や恩義が分からない人でなしのこと」です。
無慈悲で冷酷、まるでまるで人の心を持っていない人を表します。
「人面獣心」の言葉の解説
「人面獣心」は「人の顔を持ちながら、心は獣である」という意味の四字熟語です。
中国の前漢時代に記された歴史書「史記」の一節が由来とされています。
当時、「夷狄(いてき)」という異民族が攻めてくる様子を、著者の「司馬遷(しばせん)」が「夷狄の人、被髪左袵(ひはつさじん)して人面獣心なり」と表現しています。
「被髪左袵」は「髪を下ろしたままで着物を左前に着ている」という相手の野蛮な様子を誇張した表現です。
ここから「冷酷無慈悲で人でなしなこと」という意味で使われる様になりました。
「温厚篤実」とは?
「温厚篤実」は「おんこうとくじつ」と読みます。
意味は「穏やかで優しく、真面目なこと」です。
滅多に怒らず、思いやりがあって誠実な人を表します。
「温厚篤実」の言葉の解説
「温厚篤実」は「気持ちが温かく、情があって真面目なこと」という意味の四字熟語です。
「温厚」は中国の歴史書「礼記(らいき)」の一節「天地温厚之気(天地に存在している温かくおだやかな気候)」が由来です。
「篤実」は昔の中国の占いに関する書物「易経(えききょう)」の一節「剛健篤実(ごうけんとくじつ)」が由来で、「身体が丈夫で真面目なこと」という意味です。
ここから「性格が穏やかで情け深く、真面目なこと」という意味で使われる様になりました。
「人面獣心」と「温厚篤実」の違い
「人面獣心」は「冷酷無慈悲で人でなしなこと」です。
「温厚篤実」は「性格が穏やかで情け深く、真面目なこと」です。
まとめ
今回は「人面獣心」と「温厚篤実」について紹介しました。
それぞれの違いを理解して、正しく使える様にしておきましょう。