この記事では、「タコ部屋」【たこべや】と「会社の寮」【かいしゃのりょう】の意味や違いを分かりやすく説明していきます。
「タコ部屋」とは?
土木や炭鉱で働く作業員が複数人で寝泊りする所を「タコ部屋」【たこべや】といいます。
この宿舎には複数の作業員が一部屋に入れられて、そこで寝たり、食事するといった生活を共同で送る場所です。
この部屋は明治から昭和の戦後まで続き、プライバシーはほとんどない環境を指す過酷な場所でした。
この「タコ部屋」は北海道の樺太に送り込まれた者が現場で働くため生活する所として設けられましたが、過酷な労働環境と寮生活を作業員の間では皮肉ってこのように呼んでいたのです。
「会社の寮」とは?
会社で働く社員のために建てて、住んでもらう住居を「会社の寮」【かいしゃのりょう】といいます。
福利厚生として、いかに社員に快適な生活ができるかを考えた寮であり、会社に近かい場所を選んだり電化製品を充実させるなどして独身や新入社員に住んでもらうのです。
この寮にはシングルルームが多く、アパートを一棟借りて部屋を貸し出す会社もあります。
結婚するまで入居できたり、20年近く住めるようになっているのも魅力的です。
「タコ部屋」と「会社の寮」の違い
「タコ部屋」と「会社の寮」の違いを、分かりやすく解説します。
一度入れば二度と出られないところがタコ壷に似ていることから「タコ部屋」と呼ぶようになりました。
その部屋には大勢で入っては寝泊りする場所であり、不衛生で常に人の目にさらされる場所だったのです。
この部屋には借金がある者を連れてきては長時間過酷な現場で働かせるのです。
労働者の多くが休日もなく働かせられただけでなく、安月給のため簡単には借金が返せませんでした。
もう一方の「会社の寮」は独身社員が生活できるように建てられた部屋であり、すでにベッドや家具が設置されているところが大半です。
また、会社から遠くに住む人を優先的に入れる会社もあります。
まとめ
人が暮らす部屋を指す言葉ですが、入居する人や環境などに違いがありますので、自分なりに異なる点を見比べてみるといいでしょう。