「作品論」と「作家論」の違いとは?分かりやすく解釈

「作品論」と「作家論」の違いとは?違い

文学作品や芸術作品を評論する際に昔から問題になるのが、作品を評する場合に「作品論」を通すべきかどうかということです。

それでは、この「作品論」とはどういう意味でしょうか。

また、「作家論」とは、どう違うのでしょうか。

この記事では、「作品論」「作家論」の違いを分かりやすく説明していきます。

「作品論」とは?

「作品論」とは、作られた「作品」だけを見てそれを評論することを表す言葉です、たとえば、最も狭い範囲の「作品論」とは、その作品一点のみの評価を行い、その作家がそれ以前やその後にどんな作品を作成したのかや、どんなことを考えて作品を作ったかは知っていても評価の材料にはしません。

つまり、「作品」の評価は、純粋に「作品」だけを見て判断するべきであるこということです。


「作家論」とは?

「作家論」とは、作られた「作品」だけではなく、その「作品」を作った作家のこともふくめて評価するべきという評論の姿勢のことです。

つまり、作られた作品のバックグラウンドをできる限り知った上で判断するのが正しいという考え方です。


「作品論」と「作家論」の違い

「作品論」「作家論」の違いを、分かりやすく解説します。

この2つの言葉は、文学作品や芸術作品を論じる時の評論方法であることは同じですが、何をベースに行うかが違います。

すなわち、「作品論」というのは、その作品だけを対象にして評論を行うことであり、「作家論」というのは、その作品を作った作家の人となりや人生をベースにして「作品」までも評論するという姿勢のことです。

この2つは、違っているように見えますが、結局はレベルの違いでしかなく、物差しがどっちの方向に傾いているかという部分だけのことであると考えて良いでしょう。

まとめ

この記事では、「作品論」「作家論」の違いを、解説してきました。

この2つに関しては、結局は見方の違いでしかなく、場合によっては、作品を論じ、また別の時には「作家論」からアプローチするというのが、大方の評論家の姿勢であるのは間違いがないでしょう。

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