人間の心理や意思を研究する学問として「行動経済学」と「心理学」があります。
2つの学問はそれぞれ何を研究しどのような違いがあるのでしょうか。
今回は、「行動経済学」と「心理学」の違いを解説します。
「行動経済学」とは?
「行動経済学」とは、「経済学に人間心理の要素を取り入れて研究する学問」です。
「行動経済学」の使い方
経済を数学的手法により研究する学問を「経済学」といいます。
一国の財政や政策判断など大きな経済の動きを研究する学問ですが基礎になっているのはシンプルな人間の行動です。
経済学には「個人は利益のために行動し少しでも利益の大きくなる選択肢を選ぶ」という大前提があります。
この大前提は多くの人間に共通して見られるものですが、現実的には必ずしもそのような人ばかりとは限りません。
例えば1000円か1001円が貰える選択肢があった時に経済学のモデルでは必ず1001円を選びますが、現実世界では小銭を嫌って1000円を選ぶ人も存在します。
そのような現実的な人間に見られる心理的な要素を経済学に取り入れた学問が「行動経済学」です。
「心理学」とは?
「心理学」とは、「人間の心や考えを科学的アプローチから解き明かそうとする学問」です。
「心理学」の使い方
人間の研究については目で見たり触ったりできる医学的なアプローチの他に目で見えない内面を探ろうとする動きが古くから存在していました。
思索による心の真相に迫ろうとする哲学的アプローチとは別に科学的手法を用いて心や意思を研究する学問が「心理学」です。
「行動経済学」と「心理学」の違い
「行動経済学」と「心理学」の違いは「経済学的要素」です。
どちらも人の心理を研究する学問ですが「行動経済学」は人間心理が経済行動に与える影響を研究するのに対し、「心理学」は経済行動に限らず人間の活動全般における心理面を研究する学問です。
「行動経済学」の例文
・『行動経済学を研究する』
・『マーケティングに行動経済学を応用する』
「心理学」の例文
・『心理学の見地から意見を述べる』
・『心理学はまだまだ未解明の分野が多い』
まとめ
「行動経済学」と「心理学」はどちらも人間心理を研究する学問ですが目的に違いがあります。
それぞれ何を研究する学問なのかを正しく理解しておきましょう。