外からはわからない内部のことを表す言葉として「内情」と「内実」があります。
2つの言葉にはどのような意味の違いがあるのでしょうか。
今回は、「内情」と「内実」の違いを解説します。
「内情」とは?
「内情」とは、「外部に出さないようにしている内部の事情」を意味する言葉です。
「内情」の使い方
物事がある状況に至るまでの経緯や現在の状態のことを「事情」といいます。
組織など外からでは内側のことが詳しくわからない集団における内部の事情のことを「内情」といいます。
組織は基本的な性質として内部のことを外部に出そうとしません。
できる限り表に出さず内部に留めて置こうとされる諸々の事情が「内情」です。
一般的には「外部の人間が知りえない裏の部分」という意味で使われることが多く、知られるとまずいネガティブな内部の事情に対して用いられる表現です。
「内実」とは?
「内実」とは、「内部の実態」を意味する言葉です。
「内実」の使い方
外見から見て取れる状態ではなく本当の状態のことを「実態」といいます。
組織や集団などの外部からは分からない内部の実態を指す言葉が「内実」です。
何も取り繕うところがない本当の実態を表す時に使われる言葉です。
「内情」と「内実」の違い
「内情」と「内実」の違いは「深さ」です。
「内情」は内部の人間ならほとんどが知っている程度の比較的浅い事情を指すのに対し、「内実」は内部の人間でも組織の幹部などかなり中心に近い人間しか知り得ない事実を表します。
会社内の雰囲気や労働環境など内部の人間なら大抵知っている程度の浅い情報が「内情」、最高責任者や幹部など内部の人間でも一部の人間しか知らない深い情報が「内実」という違いで区別されます。
「内情」の例文
・『元社員に内情を聞く』
・『伝え聞く内情は悲惨なものだった』
「内実」の例文
・『一見順調そうに見えるが内実はかなり悲惨なことになっているらしい』
・『スパイを送り込んで内実を探らせる』
まとめ
「内情」と「内実」は内部の情報をどれだけ深く掘り下げているかで区別されます。
「内情」よりも「内実」のほうがより確信に迫っているので正しく使い分けましょう。