「入港」と「着岸」はどちらも船舶が陸地にたどり着くことを表す言葉です。
2つの表現にはどのような違いがあるのでしょうか。
今回は、「入港」と「着岸」の違いを解説します。
「入港」とは?
「入港」とは、「船が港に入ること」を意味する言葉です。
「入港」の使い方
船舶が停泊し乗客の乗り降りや荷物の積み下ろしなどを安全に行うために整備された施設を「港」といいます。
防波堤や桟橋などによって構成される港のエリア内に船舶が侵入することを「入港」と表現します。
港の中では管理者の指示に従って航行する義務が生じるため自由に「入港」することはできません。
港の中の安全を管理するために船舶の出入りは厳しく管理されており「入港」を希望する船舶は管理者の指示に従います。
「着岸」とは?
「着岸」とは、「船舶が岸に辿り着くこと」を指す言葉です。
「着岸」の使い方
船舶が水域と陸地の境界である岸に辿り着くことを意味します。
一般的には船を停泊する目的で岸に着けることを指しますが、嵐で潮に流されるなど自分たちの意思でなく岸にたどり着くのも「着岸」です。
広義では整備されていない島の岸壁などに船舶を着けることも含みますが、狭義では桟橋など船舶を停泊するために整備された場所に船体を着けて流されないようロープでしっかり係留するまでの一連の流れを「着岸」と表現します。
「入港」と「着岸」の違い
港のエリアに侵入するのが「入港」、陸地との境界に船体を着けるのが「着岸」という違いで区別されます。
港には水域も含まれるので沖合で停泊し人や荷物は小型船でやり取りする超大型船などは「入港」しても「着岸」はしていません。
「入港」の例文
・『船が港に入港する』
・『入港許可が下りるのを待っている』
「着岸」の例文
・『フェリーは無事に着岸した』
・『上陸するため着岸できそうな場所を探す』
まとめ
「入港」と「着岸」では船舶の状態が異なります。
言葉の意味を正しく理解して使い分けてください。