この記事では、「二項対立」と「二律背反」の違いを分かりやすく説明していきます。
「二項対立(にこうたいりつ)」とは?
「二項対立」とは、「論理学において、2つの概念が矛盾や対立の関係にあること」を意味する言葉です。
具体的な例としては、昼と夜や生と死、男と女や積極と消極、優等と劣等などが該当します。
「二項対立」の類義語には、「全体を2つに部分に分けること」や「論理学において、概念を互いに矛盾する2つの下位概念に区分すること」などの意味を含める「二分法(にぶんほう)」があります。
「二項対立」の使い方
「二項対立」は名詞として使われています。
「二律背反(にりつはいはん)」とは?
「二律背反」とは、「哲学において、相互に矛盾している2つの命題がどちらも正当であり、互いに対立している関係を主張すること」を意味する言葉です。
「二律背反」は「アンチノミー」とも訳され、類義語には「矛盾」や「ジレンマ」、「パラドックス」などがあります。
具体的な例としては、「商品の品質向上」と「商品の低価格化」や「人員削減」と「作業時間の短縮」などが該当します。
「二律背反」の使い方
「二律背反」は名詞として使われています。
「二項対立」と「二律背反」の違い
「二項対立」は男と女や勝利と敗北など、「2つの概念が矛盾関係や対立関係にあること」という意味を表す言葉になります。
対して、「二律背反」は商品品質の向上と商品の低価格化など、2つの命題がどちらも正当でありながら、互いに対立している関係、いわゆる「ジレンマ」の状態にあることを意味する言葉になります。
「二項対立」の例文
・『大人と子供は二項対立の関係にあると言える』
「二律背反」の例文
・『二律背反している指示は部下や現場を困惑させてしまう』
まとめ
「二項対立」は「論理学において、2つの概念が矛盾や対立の関係にあること」を意味する言葉です。
そして、「二律背反」とは、「哲学において、相互に矛盾している2つの命題がどちらも正当であり、互いに対立している関係を主張すること」を意味する言葉でした。
2つの項目が反対や対立の関係にある状態が「二項対立」、2つの項目がジレンマの関係にある状態が「二律背反」と覚えましょう。