「物価上昇率」と「インフレ率」は同じような意味で使われる言葉ですがどのような違いで区別されているのでしょうか。
今回は、「物価上昇率」と「インフレ率」の違いを解説します。
「物価上昇率」とは?
「物価上昇率」とは、「ある時点を基準としたときの物価の上昇度合い」を指す言葉です。
「物価上昇率」の使い方
実際に物が取引されている価格のことを「物価」といいます。
一般的には特定の品目ではなく生活必需品などあらゆるものの販売価格を総合的に調査して算出されます。
自由経済の国において物価は需要と供給によって決まるため一定ではありません。
時期によって変動する物価を一定期間観察しある時点からある時点まででどの程度物価が上昇したのかを表すのが「物価上昇率」です。
算出方法は国や地域によって異なりますが日本では消費者物価指数と呼ばれる商品小売価格の実地調査により算出されます。
「インフレ率」とは?
「インフレ率」とは、「通貨価値の下落率」を意味する言葉です。
「インフレ率」の使い方
通貨の価値が下落することをインフレといいます。
同じ通貨で交換できる物の価値が下がる現象がインフレであり、一般的には物の販売価格が上昇するという形で表れます。
「物価上昇率」と「インフレ率」の違い
物価がどれだけ上昇したのかを表すのが「物価上昇率」、貨幣価値がどれだけ下落したのかを表すのが「インフレ率」という違いで区別されます。
同じ物を購入するのにより多くのお金が必要になる物価上昇と、同じお金で購入出来る物の価値が低くなるインフレは同じ現象です。
商品の販売価格と通貨の価値という注目するポイントは異なりますが「物価上昇率」と「インフレ率」の意味は全く同じです。
「物価上昇率」の例文
・『物価上昇率を調査する』
・『物価上昇率が過去最高だった』
「インフレ率」の例文
・『インフレ率の目安は2%である』
・『インフレ率が低すぎると経済成長に悪影響を及ぼす』
まとめ
「物価上昇率」と「インフレ率」は同じ現象をどの側面から見るかによって区別されます。
基本的には同じデータで呼び方が違うだけなので全く同じものであると理解して構いません。
どちらの表現も広く使われているので同じであることを知っておきましょう。