大規模な工事現場や港での荷物の移動などに使われている機械で、橋のようなブームが伸びてそこから下ろしたケーブルに荷物を吊るして移動させるようなものがあります。
この機械を「デリック」と呼びます。
それでは、この「デリック」とはどういう意味でしょうか。
また、「クレーン」とは、どう違うのでしょうか。
この記事では、「デリック」と「クレーン」の違いを分かりやすく説明していきます。
「デリック」とは?
「デリック」とは、英語の「derrick」をカタカナで表記したもので、重量のある荷物を吊り上げて移動させる機械の一つで、支柱の部分の移動にもケーブルの動力による巻き上げを利用しているもののことを言います。
「クレーン」とは?
「クレーン」とは、英語の「crane」をカタカナで表記したもので、重い荷物をケーブルで吊り上げて並行移動させて下すことができる機械のことを指す言葉です。
「クレーン」と呼ばれるのはケーブルの巻き上げに動力を使用する装置で、0. 5トン以上の荷重のもののことという定義があります。
「デリック」と「クレーン」の違い
「デリック」と「クレーン」の違いを、分かりやすく解説します。
この2つの言葉は、重い荷物をケーブルで吊り上げて移動させる機械であることは同じですが、基本的な動力と機構が違います。
最も簡単に両者の違いを説明するなら、「デリック」は釣り上げる支柱であるブームなどの旋回や上下動においてケーブルの巻き上げ機構とは別に動力を使ってケーブルによって操作するもののことを言います。
したがって釣り上げるケーブルの巻き上げにしか動力装置を持たないものは「クレーン」ということになります。
この違いは免許にも現れていて、クレーン・デリック運転士免許には「クレーン限定」という自動車の「オートマ限定」のようなタイプがあり、この免許の所有者は「デリック」を運転することはできません。
つまり、「デリック」のほうが一般の「クレーン」にくらべて、操作が複雑で、危険が伴うということになります。
まとめ
この記事では、「デリック」と「クレーン」の違いを、解説してきました。
この2つに関しては、ビルの工事現場では必ず見かけるもので、大型のものに関してはかなり遠くからでも見分けることができるので、時間があれば周りを見回して「クレーン」や「デリック」を見つけてみるのも良いでしょう。