この記事では、「天下り」と「渡り」の違いを分かりやすく説明していきます。
「天下り」とは?
「天下り」は「あまくだり」と読み、意味は以下の通りです。
1つ目は「神仏や精霊などが、天上界から地上に降りてくること」という意味です。
2つ目は「官庁から民間へ強制的に命令される業務」という意味です。
3つ目は「退職した高級官僚が、関連する民間企業や団体で高い地位に就任すること」という意味です。
「天下り」の言葉の使い方
「天下り」は名詞として「天下りする・した」「天下り役員」などと使われます。
「天下り」は、動詞「天下る」の連用形が名詞化した言葉で、「神が天上界から人間界に降臨すること」という意味です。
明治時代になり、「官庁からの強制的な命令」「退職した官僚が民間企業の高い地位に就任すること」として使われる様になりました。
「渡り」とは?
「渡り」は「わたり」と読み、主な意味は以下の通りです。
1つ目は「川などの向こう岸へ通じる場所」という元の意味です。
2つ目は「離れた2つの場所に掛けて人や乗り物を通すもの」という意味です。
3つ目は転じて、「定住しないで転々とすること」という意味です。
4つ目は「退職した官僚が、厚待遇で関連企業を次々と移りゆくこと」という意味です。
「渡り」の言葉の使い方
「渡り」は名詞として「渡り歩く」「渡りの専務」などと使われます。
「渡り」は動詞「渡る」の連用形が名詞化した言葉で、元の意味は「向こう側へ通って行くこと」ですが、転じて「転々とする」「退職した官僚が、民間企業で高給取りとして転職を繰り返すこと」になります。
「天下り」と「渡り」の違い
「天下り」は「神が天上界から人間界に降臨すること」「官庁からの強制的な命令」「退職した官僚が民間企業の高い地位に就任すること」です。
「渡り」は「向こう側へ通って行くこと」「転々とする」「退職した官僚が、民間企業で高給取りとして転職を繰り返すこと」です。
「天下り」の例文
「天下り」の例文は以下の通りです。
・『子会社の役員は全員天下りだ』
・『天下り幹部は窓際でほとんど仕事しない』
・『天下り役員は皆高給取りだ』
「渡り」の例文
「渡り」の例文は以下の通りです。
・『役員の渡りを禁止する』
・『天下りは子会社への渡りが多い』
・『あの役員は渡りで顔が広い』
まとめ
今回は「天下り」と「渡り」について紹介しました。
それぞれの違いを理解して、正しく使える様にしておきましょう。