この記事では、「坐像」と「立像」の違いについて紹介します。
坐像とは?
坐像とは、座った姿をしている像のことをいいます。
仏像などに用いられる言葉です。
仏像は仏教の信仰の対象である仏の姿をした像になります。
元々は仏教の開祖である釈迦を像にしたものでしたが、弥勒菩薩や阿弥陀如来像など様々な仏像が作られるようになりました。
仏像はその体勢によって、立像・坐像・倚像・半跏像・涅槃像に分類されます。
坐像は座った体勢の像ですが、座り方によりいくつか種類があります。
例えば、結跏趺坐(けっかくざ)は両足を組んで太ももの上にのせた座り方で、瞑想している状態を表しています。
また、片足のみを太ももの上にのせた半跏趺坐(はんかふざ)という坐像もあり、菩薩などに多くみられます。
足を崩した遊戯座(ゆげざ)や片膝を立てている輪王坐(りんのうざ)など、色々あります。
立像とは?
立像とは、立った姿をしている像のことをいいます。
立像の仏像は、人々を救済する姿を表しているとされます。
立像も足の位置や姿勢によっていくつかの種類に分類されます。
足を揃えて真っすぐに立っているのは正位像で、最もオーソドックスなスタイルです。
そのためあらゆる仏像に見られます。
片足を少し前に出しているのは遊足像で、片足を大きく上げており躍動感があるのは丁字像です。
坐像と立像の違い
坐像と立像の違いは、座っているか立っているかにあります。
仏像では坐像は瞑想していたり、説法を行っている状況を表しています。
それに対して立像は人々を救うために立ちあがった姿を表しています。
日本に仏像がもたらされたのは6世紀頃で、仏教が伝来し世間に浸透するのと共に仏像も作られるようになりました。
社会不安が増した室町時代頃からは、立像が多くなったといわれています。
まとめ
坐像は座った姿の像で、仏像では瞑想している姿を表しています。
立像は立った姿で、人々を救済する姿を表しています。