この記事では、「念仏」と「題目」の違いを分かりやすく説明していきます。
「念仏」とは?
「念仏」とは仏様の名を口に出すことでその仏を礼拝し信心することです。
日本で一般的に知られている最も有名な「念仏」と言えば南無阿弥陀仏でしょう。
南無とは全身全霊を持って依存し信仰を抱くことであり、阿弥陀如来という仏様に尊敬の念をはらいすべてを委ねますというような意味の言葉です。
本来は仏の功徳や姿を思い起こすことで悟りに近付くという修行の一つでしたが、現在では仏や菩薩の名を口に出して称えることを指して使われます。
「題目」とは?
「題目」とは日蓮宗系の宗派で唱えられている南無妙法蓮華経という文句です。
「念仏」と基本的な考え方は同じですがすべてを委ねる対象が仏ではなく法華経という大乗仏教の経典であり、南無妙法蓮華経と「題目」を口にすることはその経典に従いますと宣言することになります。
そのため「題目」を唱えることは日蓮宗系の宗派ではポピュラーで基本的な修行です。
ただし経典である法華経を読んだこともなくその経典に書かれたことに従うという意味の「題目」を唱える信徒も多かったことから、「お題目」という形で形式だけや建前ばかりの言葉という慣用句として使われることもあります。
「念仏」と「題目」の違い
「念仏」と「題目」の違いを、分かりやすく解説します。
仏様の名を口に出し唱えることで全幅の信頼と救済に身を委ねることが「念仏」で、日蓮宗系の宗派が宗派の大元である経典の名を口に出し唱える文句が「題目」です。
「念仏」の代表は南無阿弥陀仏で「題目」は南無妙法蓮華経になります。
「念仏」を日常的に修行として唱える宗派としては浄土宗系が多いですが、「題目」を唱えるのは日蓮宗系だけです。
また「念仏」は修行としての行為だけを指しますが、「題目」は日蓮宗の文句を指すだけでなくそれに由来する慣用句としても使われています。
まとめ
どちらも南無なんたらかんたらと唱える言葉ですが、何に帰依することかという対象とそれを唱える宗派が違います。
南無阿弥陀仏の「念仏」は浄土宗系で唱えられ、それに対抗する意図で作られた南無妙法蓮華経が日蓮宗系で唱えられる「題目」です。