この記事では、「能楽」と「狂言」の違いを分かりやすく説明していきます。
「能楽」とは?
「能楽」は、重要無形文化財またユネスコ無形文化遺産に指定されている、日本の伝統芸能のです。
能、式三番、狂言の3つを合わせた“総称”が「能楽」です。
その歴史はとても古く、「六十六番のものまね」として聖徳太子の前で舞っていたものがはじまりとされています。
江戸時代には「猿楽」と呼ばれとても盛んでしたが、激動の時代の中で存続の危機を幾度も迎えた経緯があります。
明治時代に「猿楽」は「能楽」という呼称に統一され、第二次世界大戦以降は、流派の域を超えて、交流と共に再発展を遂げ現在に至ります。
「能楽」は「謡(うたい)」と「所作」と「囃子(はやし)」で成り立ち、童謡「うれしいひなまつり」に登場する「五人囃子」は、この能楽のお囃子の五人を指しています。
「太鼓、大鼓、小鼓、笛、謡(扇子持ち)」の五人で構成され、童謡の歌詞もこれに該当するわけです。
「狂言」とは?
「狂言」は「猿楽」の芸の内のひとつで、日常の風景を題材に、洗練した滑稽味が特徴の演劇です。
二人以上の人物が登場し、所作や対話が行われます。
時代風刺や人々の幸運を祈る祝祭などが主なテーマとなっています。
「狂言」の歴史は室町時代にはじまったとされており、当初は多くの流派があったとされていますが、時代とともに吸収・消滅し、現在では2つの流派が正式な狂言流儀として認定されています。
「能楽」と「狂言」の違い
「能楽」は、能・狂言・式三番の3つの舞台芸能の総称です。
対して、「狂言」は「能楽」に含まれる舞台芸能のひとつです。
「能楽」は元々「猿楽」として発展し、「猿楽」の中でも日常的な題材に着目した演劇として発展させたのが「狂言」です。
どちらにも流派があり、それぞれに尊重し合いながら、現在でも盛んに活動が続けられています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
「能楽」と「狂言」は、日本の伝統芸能で、世界的にも評価が高く、ユネスコ無形文化遺産に登録されています。
日本人の私たちにとって大切な文化を、いつまでも発展できるよう守り続けていきたいものです。