この記事では、「実現主義」と「発生主義」の違いを分かりやすく説明していきます。
「実現主義」とは?
「実現主義(じつげんしゅぎ)」とは、財貨や役務を提供し、収益を実現した時点で、収益のみを計上する考え方のことを言います。
「実現主義」の「実」は「中身」、「果実」、「結実する」などの意味があります。
また、「現」は「はっきりする」、「見える」、「出てくる」などを表しています。
そして、「主」は「あるじ」、「持ち主」、「主な」などを指しています。
さらに、「義」は「道理」、「正しい」、「代用」などを言います。
「発生主義」とは?
「発生主義(はっせいしゅぎ)」とは、現金の収支に関わらず、取引の発生や変化が起こった時点で、収益や費用を計上する考え方のことを表しています。
「発生主義」の「発」は、「放つ」、「外へ出す」、「おこる」などの意味を持っています。
また、「生」は「いきる」、「生存」、「生じる」などを表しています。
さらに「主」と「義」は、前述のとおりの意味になります。
「実現主義」と「発生主義」の違い
「実現主義」と「発生主義」の違いを、分かりやすく解説します。
「実現主義」とは、財貨や役務を提供し、収益が実現した時点で、収益のみを計上する考え方のことを表しています。
一方、「発生主義」は現金の収支に関係なく、取引が動いた時点で、収益や費用を計上する考え方のことを言います。
「実現主義」は実際に現金などの収益があった時に計上するのに対し、「発生主義」は、実際の収益に関わりなく、取引が動いた時に収益や費用を計上することなので、この点に違いがあります。
「実現主義」の例文
・『実現主義の実現の判断には、いくつかの基準があります』
・『会計学の考え方の一つに、「実現主義」というのがあります』
・『実現主義の英語表記は「realization basis」となります』
・『実現主義のメリットの一つに、架空の貨幣性資産の計上の防止が挙げられます』
「発生主義」の例文
・『会計原則の一つに、「発生主義」があります』
・『発生主義は英語で「accrual basis」と表記されます』
・『「発生主義」は「現金主義」と対比されます』
・『発生主義は売掛金や買掛金の把握ができ、資金繰り対策がしやすくなります』
まとめ
「実現主義」は漢字の意味で見てみると、「結実してはっきりする主な道理」のような意味合いになります。
また、「発生主義」は漢字の意味でみると、「起きて生じる主な道理」と言うような意味合いになります。
それぞれの言葉の意味や違いを知り、適切に使っていきたいものです。