ものの生産に関連する言葉として「増産」と「量産」があります。
この2つの言葉にはどのような意味の違いがあるのでしょうか。
今回は、「増産」と「量産」の違いを解説します。
「増産」とは?
「増産」とは、「生産量を増やすこと」を意味する言葉です。
「増産」の使い方
現状で生産している量よりもさらに生産量を増やすことを指します。
工業的に生産される製品だけでなく農産物の生産量や資源の産出量など自然に影響されるものの生産高に対しても用いる表現です。
基準となるのは現在の生産量で多くの原材料を投入したり新たな生産設備を導入して効率を改善したりなど、現在の水準よりも生産量を引き上げる行為が「増産」に当たります。
「量産」とは?
「量産」とは、「大量生産」の略語で「同一の品物を大量に生産すること」を意味する言葉です。
「量産」の使い方
形が同じで機能にも違いがない同一規格のものを大量に生産することを指します。
同一規格の製品を大量にすることで調達コストの低減や作業効率の向上などさまざまなメリットが発生します。
ひとつだけ特注で作るオーダー品や限られた数だけ作る少数限定生産ではなく大量に生産する行為が「量産」です。
具体的な数についての基準はなく需要と供給に応じて変化します。
欲しい人が50人しかいないような品物なら100個でも「量産」です。
生産する段階で特定の販売者が決まっておらず不特定多数の消費者に使ってもらうために生産する行為を「量産」と表現します。
「増産」と「量産」の違い
今よりも生産量を増やすのが「増産」、大量に生産するのが「量産」というように現在の生産高を基準にするかどうかで区別されます。
「増産」はすでに一定量生産されているものに対して使う表現ですが「量産」はまだ生産されていない、あるいはごくわずかしか生産されていないものに対して用いる表現です。
「増産」の例文
・『石油の増産が決まった』
・『人口増加に備えて食料を増産する』
「量産」の例文
・『試作車に改良を加えて量産する』
・『テスト販売の好調を受けて量産が決定した』
まとめ
「増産」と「量産」はどちらも沢山生産することを表しますが何を基準にしているかで区別されます。
表す意味が大きく異なるので正しくに使い分けましょう。