この記事では、「増刷」と「重版」の違いについて紹介します。
増刷とは?
増刷とは、書籍などを以前と同じ内容で印刷することをいいます。
印刷業界や出版業界で使われている言葉で、すでに刊行されているものと同じ印刷原版を使用します。
出版した本の売れ行きが好調だったため在庫が足りなくなり、追加で同じ内容の本を沢山作るのが増刷です。
例えば、昔出版された本が映画化されたり、ドラマ化されたりすると話題になるため、購入希望者が増えるので増刷されることが多いです。
また、著者が有名な賞を受賞したりすると、その著者の本の売れ行きが良くなるといったこともあります。
重版とは?
重版とは、すでに発売している書籍などを一部加筆したり、修正したりして印刷することをいいます。
重版も印刷業界や出版業界で使われている言葉で、重版が出来上がってその書籍が販売されることが重版出来です。
日常会話ではほとんど使われることがない言葉ですが、漫画の編集者を主人公にしたテレビドラマ「重版出来!」が放送されたため知っている人も多くなりました。
重版は内容の一部を変更したものですが、全体を変える場合には改訂といいます。
改訂版は全面的に見直して変更を加えたものなので、新しい書籍として出版されます。
増刷と重版の違い
増刷は書籍などで内容を変えずにそのまま追加で印刷することをいい、重版は内容を一部変更して印刷することをいいます。
修正や加筆など変更が行われているかどうかに違いがあります。
巻末に設けられている奥付という書誌に関する部分には、「第3版第2刷発行」等の記載があります。
この場合、3度重版され、2回増刷された本ということになります。
ただし、重版と増刷は同じ意味で使われることも多く、明確に区別されているわけではありません。
まとめ
増刷は内容を変えずにそのまま追加で印刷することですが、重版は加筆や修正など一部を変更して印刷することです。