ニュースなどでよく聞くのは「この事件を起こしたのは現職の警官でした」というようなコメントですが、なぜか「警官」や「国会議員」などに対して「現職の」という但し書きがよく使われます。
そもそも「現職」とはどういう意味でしょうか。
「現任」とはどう違うのでしょうか。
この記事では、「現任」と「現職」の違いを分かりやすく説明していきます。
「現任」とは?
「現任」とは、その文字の通り、「現在就任している役職や職責」のことを表す言葉です。
多くのケースでは「新任」という言葉に対応するものとして使われ、「現任の隊員は新任の隊員の教育をお願いします」のように表現されます。
「現職」とは?
「現職」とは、その文字の通り、「現在就いている職業」のことを表す言葉です。
多くの場合は、「現職の自衛官」のように後ろに職業がつけられ、今も働いている「現役であること」を強調したいときに使われます。
「現任」と「現職」の違い
「現任」と「現職」の違いを、分かりやすく解説します。
この2つの言葉は、どちらも「今現在就いている仕事」のような意味で使われる言葉ですが、何を意味するかは違います。
それは、「任」と「職」の違いと言ってもよいでしょう、すなわち、「現任」は、今現在就いている「任務」あるいは「役職」、「職責」のことを示す言葉であり、「現職」は、今現在就いている「職業」のことを表します。
したがって、「現職のメーカー社長」とは言わず、「現任の警察官」ともほぼ言いません。
まとめ
この記事では、「現任」と「現職」の違いを、解説してきました。
「現職の」という枕が付けられやすい職業として、「警官」と「国会議員」を挙げましたが、場合によっては「小学校教諭」だあったり、「大学教授」もその仲間になります。
つまり、これらの人たちは人を取り締まったり、国の法律を作ったり、人に物を教えるような、一般的にいう「偉い」立場の人であるというニュアンスが背景にあるのではないでしょうか。