「解嘱」と「退職」はどちらも仕事を辞めて離れることに関連する言葉ですが、どのような意味の違いで使い分ければいいのでしょうか。
今回は、「解嘱」と「退職」の違いを解説します。
「解嘱」とは?
「解嘱」とは、「委嘱した仕事を解いて辞めさせること」を意味する言葉です。
「解嘱」の使い方
特定の仕事を人に頼んで引き受けてもらい任せることを「委嘱」といいます。
一般的には行政が特定の仕事を期間限定で人任せにする時に用いられる言葉です。
行政が民間人を諮問機関に招いたり審議会のメンバーに選んだりなど行政機関外の人に行政に関連する仕事や約束を任せることを委嘱といい、移植した仕事や役職を任せた側の判断で解任することを「解嘱」といいます。
「退職」とは?
「退職」とは、「今まで勤めていた勤務先を辞めること」を意味する言葉です。
「退職」の使い方
一般的には仕事を辞めること全般を表す意味で使われますが、基本的には雇用関係の解消を表す言葉なので個人事業などを辞める場合には使わず勤めていた企業や団体などを辞めて離れることを表すときに用いられます。
労働契約を終了し雇用先の人間ではなくなることを意味しますが、職業そのものを諦めるわけではなく別の会社に再就職するために辞めるような場合も「退職」に当たります。
「解嘱」と「退職」の違い
行政が任じていた仕事を一方的に解いて辞めさせるのが「解嘱」、労働関係を解消し勤め先を離れるのが「退職」という違いで区別されます。
「解嘱」は本人の同意がなく一方的に行われる場合もありますが「退職」は自分の意思で職を離れる時に使う表現です。
「解嘱」の例文
・『審議委員を解嘱になった』
・『一方的な解嘱は受け入れられない』
「退職」の例文
・『退職して新しい道に進む』
・『クビになる前に自ら退職を願い出る』
まとめ
「解嘱」と「退職」はどちらも仕事や役職を辞めることを意味する言葉ですが辞め方に違いがあります。
2つの言葉の違いを正しく理解して使い分けてください。