この記事では、「流石」と「見事」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「流石」の意味
最初に「流石」(さすが)の意味をご説明致します。
「流石」の意味とは、自分や周囲の期待通りの働きや成果を出す人などを指す意味として使います。
また、一応の評価はするものの、違和感のある部分を指摘や皮肉を込める意味があるのも事実です。
「流石」の使い方
次は「流石」の使い方を解説していきます。
「流石」を使いたい場合は、純粋に期待通りだと評価する際と、皮肉を込める際に使うと理解してください。
それでは具体的な使い方の方を見てみることにしましょう。
「彼の操縦技術は流石だ。後輩のパイロットも尊敬しているようだ」
「流石は社長だ。僕たちに見せびらかすようにお金を使っている」
前者の場合は、純粋に対象になる人物に対して評価している使い方になります。
後者の方は、お金持ちを認めつつ、お金の使い方が下品なため皮肉を込められている使い方になるのです。
使い方の解説は以上になります。
「流石」を使った例文
この項目において「流石」を使った例文を書いていきます。
・『彼の仕事の速さとクオリティは、流石としか言いようがない』
・『流石は往年の芸能人です。多数のファンがいらっしゃいます』
・『ビジネスにおいては流石だが、人間関係はあまりよろしくないらしい』(皮肉をこめている表現になります)
・『流石の格闘能力も、集団でかかれば屁みたいなものである』(これは皮肉と揶揄している使い方です)
・『彼のパソコンの知識は流石である』
「流石」を使った例文の解説は以上とします。
「流石」の類語
「流石」の類語を取り上げていきます。
「流石」の類語としては、「伊達じゃない」(だて)や「只者ではない」(ただもの)、「見掛け倒しではない」(みかけだおし)が類語になります。
類語の意味は、見かけだけじゃなく技術力などが非常に優れているという意味や一目置くべき相手という意味合いがあります。
「流石」の対義語
次は「流石」の対義語を見てみます。
「流石」の対義語は、調査の結果、対義語は存在しないようです。
しかしながら、よくよく考えてみると「情けない」や「甲斐性がない」が対義語になるでしょう。
「流石」というのは、期待通りという意味があります。
よって、対義語としては期待通りのことができないという意味や、頼りないという意味になります。
よって「情けない」や「甲斐性がない」が対義語として成立するのです。
これらが「流石」の対義語になります。
「見事」の意味
ここでは「見事」(みごと)の意味をご説明致します。
「見事」の意味としては、非常に立派という意味や、完璧であることや巧な技術力などを意味しております。
「見事」の使い方
次の項目において「見事」の使い方を取り上げます。
「見事」を使う時は、非常に頼もしいさまや、完璧であるさま、技術力が優れている場合に使うことが一般的に多いのです。
それではどのようなケースで使われるのか、見ていきます。
「隊長が敵機を撃墜する際の操縦技術は、見事なものだ」
「見事な家が完成した」
「見事に成功した」
以上3つの使い方をすることができます。
「見事」を使った例文
それでは次、「見事」を使った例文を書きます。
・『刑事達は犯人を見事、逮捕した』
・『見事、敵空母を撃沈した』
・『駅前に見事なビルが完成し、多くの人が写真や動画を撮っているようだ』
・『見事な大輪の花が咲いた』
・『見事な技術力で、空を飛んでいる』
これが「見事」を用いた例文です。
「見事」の類語
「見事」の類語を取り上げていきます。
「見事」の類語は、「目覚ましい」(めざましい)や「驚異的」(きょういてき)、「あっぱれ」などが類語になります。
これらの類語の意味としては、素晴らしい成果や成績、賞賛したいほどに素敵なさまを意味する際に使われます。
以上が「見事」の類語になります。
「見事」の対義語
ここでは「見事」の対義語を説明します。
「見事」の対義語として、「不細工」(ぶさいく)や「不格好」(ぶかっこう)などが対義語になります。
対義語の意味は、目も当てられないほどにひどいさまや、雑な仕上がりなどを意味する際に用いられます。
以上が対義語の説明になります。
「流石」と「見事」の違い
ここでは「流石」と「見事」の違いをご説明致します。
「流石」というのは、純粋に相手を褒める意味や感心するという意味があります。
また、ある一部分の能力や行いは認めるものの、それはいただけないとする部分に対して使ったり、揶揄や皮肉としても十分に使える言葉なのです。
「見事」というのは、非常に頼もしいさまや、一流の技術力、完璧だという意味があります。
以上が違いとなります。
そして、共通している部分は意外にも、文法を変えることで、揶揄したり皮肉などという、全く反対の意味としても使えるのです。
「流石」と「見事」の使い方の違い
最後に「流石」と「見事」の使い方の違いを取り上げたいと考えます。
「流石」を使う際は、純粋に相手の能力や技術力などに感心する意味や、一部分を評価して、その後の部分は評価できないという時に使います。
もちろん、皮肉的にも使えます。
よって、「彼の職人技は流石だ。
本当に尊敬している」という使い方と、「流石、大金持ちのボンボンだ。
人の気持ちなんて関係ないらしい」という具合に用いられるのです。
「見事」の場合は、頼もしいものだと評価する時や、技術力が卓越したり、完璧である時に使うものです。
それでは使い方を見てみましょう。
「見事なマンションが建てられた」「彼の着艦技術は見事だと同僚のパイロットから評判だ」「警告していたものの、ものの見事に警告を無視して、規約を破った」(反対的には、このように使えます) これが「流石」と「見事」の使い方の違いになります。
まとめ
まとめとしては、「流石」というのは、純粋に相手に対して感心を表す際に使うことが多いのです。
しかしながら、一部分だけ認めて、皮肉や揶揄を込める意味でも使われることがあるのも事実になります。
そして、「見事」というのは、完璧な意味や安心感のあること、卓越した能力などを評価する意味があります。
また、反対的な意味でも使えます。