「過当競争」と「レッドオーシャン」はどちらも自由競争市場に関係する言葉です。
2つの言葉はそれぞれ何を意味しどこに違いがあるのでしょうか。
今回は、「過当競争」と「レッドオーシャン」の違いを解説します。
「過当競争」とは?
「過当競争」とは、「市場でのシェア拡大を目指して行われる行き過ぎた競争状態」を指す言葉です。
「過当競争」の使い方
市場の参加者が商品の価格を自由に設定して互いに競い合える状態を自由競争といいます。
自由競争市場では価格が安いほど商品がよく売れるのでシェアを拡大して市場での有利な地位を確立するため本来の適正価格よりも安い価格に引き下げる値下げ競争が発生することがあります。
そのような健全とは言い難い行き過ぎた市場の競争状態を指す言葉が「過当競争」です。
価格を下げすぎたせいで正常な利益を得られなくなり資本力の弱い企業は撤退せざるを得ず、結果的に寡占や独占など健全とは言い難い地上に近づいてしまいます。
「レッドオーシャン」とは?
「レッドオーシャン」とは、「過度な競争が行われている市場」を指す言葉です。
「レッドオーシャン」の使い方
生物同士が血で血を洗う戦いを繰り広げて海が真っ赤に染まるような激しい競争が繰り広げられている市場を指します。
一般的には行き過ぎた競争で参加者が疲弊しきっているような健全ではない状況の市場を指す言葉として使われています。
「過当競争」と「レッドオーシャン」の違い
競争が行き過ぎている状態が「過当競争」、競争が行き過ぎている状態の市場が「レッドオーシャン」です。
「レッドオーシャン」は「過当競争」に陥っている市場を指す言葉です。
「過当競争」の例文
・『過当競争でほとんど儲けがない状態だ』
・『企業体力がなければ過当競争に勝てない』
「レッドオーシャン」の例文
・『行き過ぎた値引き合戦でレッドオーシャンの様相を呈している』
・『レッドオーシャンに飛び込むのは無謀な挑戦だ』
まとめ
「過当競争」と「レッドオーシャン」は表している対象が異なります。
混同しやすい表現なのでそれぞれの意味を正しく理解して使い分けてください。