「熟成肉」と「腐った肉」の違いとは?分かりやすく解釈

「熟成肉」と「腐った肉」の違いとは?違い

グルメ界で長期間寝かせた「熟成肉」がブームになっていますが「腐った肉」とはどこが違うのでしょうか。

この記事では、「熟成肉」「腐った肉」の違いを分かりやすく説明していきます。

「熟成肉」とは?

「熟成肉」(じゅくせいにく)とは、旨味を引き出すため一定の条件で長時間貯蔵した食肉のことです。

一般的な精肉(成形した食用の肉)よりも旨味や香りが濃厚で、価値の高いものとされています。

「熟成」とは、食品をしばらく寝かせ旨味のもとになるアミノ酸などを増やす工程を指します。

食品を寝かせておくと有益な微生物によって食品に含まれるたんぱく質が分解してアミノ酸が増え、余分な水分が抜けるので旨味や香りが凝縮し、熟成前よりも食味が格段に向上します。

と畜して間もない畜肉は新鮮ですが食味があまり良くないので、数日間貯蔵して熟成させてから精肉として流通されます。

「熟成肉」は、さらに数十日間貯蔵させることで食肉の熟成を進めたものです。


「腐った肉」とは?

「腐った肉」(くさったにく)とは、死んだ動物の肉が微生物によって分解され、品質が劣化して食用に適さない状態になったものを指します。

「腐った肉」は黒っぽく変色したり、不快なにおいがしたり、ぬめりやカビが生じたりして、風味が著しく劣化しているのが特徴です。

また、有害な細菌(微生物)が繁殖しているため、食べると食中毒を起こします。

肉が腐るのは、動物が死ぬと組織に酸素を供給できなくなったり免疫によって細菌を駆除できなくなったりし、体の組織を新鮮で健康な状態に保つことができなくなるためです。

微生物は、繁殖に必要な条件(水分、有機物、温度など)がそろうと動きが活発になって大量に増殖し、食品を腐らせます。

肉は水分と有機物を豊富に含むために微生物が繁殖しやすく、冷蔵庫等で貯蔵して早めに調理しなければ、微生物が繁殖して風味が落ちたり腐ったりしやすくなるのです。


「熟成肉」と「腐った肉」の違い

「熟成肉」「腐った肉」の違いを、分かりやすく解説します。

「熟成肉」は旨味を引き出すために長期間寝かせた肉のこと、「腐った肉」は繁殖した微生物によって品質が劣化し食用に適さない状態になった肉のことです。

どちらも動物の死後から長時間が経過し、微生物によって肉質が変化しているところは共通しています。

ただし「熟成肉」は有益な微生物によって旨味が引き出され、食用できる状態になっているのに対し、「腐った肉」は有害な微生物によって不快なにおいや味が生じ、食用できない状態に劣化している点が大きな違いとなります。

まとめ

「熟成肉」は生のまま数十日間も貯蔵するため「腐るのではないか」と心配されがちですが、一定の条件を保って熟成しているので「腐った肉」になることはありません。

「腐った肉」は悪臭や変色を起こしているので、旨味や芳香を持つ「熟成肉」と区別することができます。

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