カーナビやスマホのGPSが一般的になってから、地図を見る機会は以前に比べて少なくなっています。
逆に紙の地図を広げると新鮮な気持ちになります。
その地図には「縮尺」がありますが、これはどういう意味でしょうか。
この記事では、「尺度」と「縮尺」の違いを分かりやすく説明していきます。
「尺度」とは?
「尺度」とは、「何かを図る物差し」という意味の言葉ですが、実際に使われる場面は様々です。
学術的な用語としての「尺度」には「名義尺度」「順序尺度」「間隔尺度」「比率尺度」の4つがあります。
「名義尺度」とは、概念としてのものの見方で「大人と子供」とか「若者と老人」のような名前での扱われ方のこと、「順序尺度」とは、「1番目立つ」「2番目に目立つ」「3番目に目立つ」というように順番が基準になる見方、そして、「間隔尺度」は「気温10度と11度」、「気温24度と25度」の違いは同じ1度であるというように間隔の隔たりでの見方となります。
そして、最も多く使われるのが「比率尺度」で、10cmのバナナを3分割したら1/3になるという見方です。
「縮尺」とは?
「縮尺」とは、文字通り「縮めた尺度」のことです。
たとえば、建築物の設計にはまず、図面を引くことから始まりますが。
この時の図面は実際のサイズで作成されることはなく、たとえば1/50くらいの大きさで書かれることが多いのですが、この「1/50」を「縮尺」と言います。
逆に小さい部品を大きくする場合の比率のことは「倍尺」と言います。
「尺度」と「縮尺」の違い
「尺度」と「縮尺」の違いを、分かりやすく解説します。
この2つの言葉は、なにかを大きくしたり小さくするときに使う言葉ですが、意味は大きく違います。
一番簡単な言い方するならば、狭義の「尺度」のひとつの種類が「縮尺」ということになります。
つまり、狭義の「尺度」である「比率尺度」の中で、小さいほうの比率(1以下)が「縮尺」であり、大きいほう(1以上)の比率が、「倍尺」です。
例えば、多くのミニカーと言われる小型の模型は1/43の「縮尺」で作られていますが、これは1/43という「尺度」で乗用車を小さくしたものであると言うことができます。
まとめ
この記事では、「尺度」と「縮尺」の違いに関して説明してきました。
前述のように広義の「尺度」には様々な意味がありますが、もっともよく使われるのは「世界の尺度」のような「物の見方」を表す場合です。
この場合は英語の「viewpoint」に近い意味ですが、この時の「尺度」は人々の間で同じかどうかが焦点になってきます。