「飼育」と「育成」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「飼育」と「育成」の違い生活・教育

この記事では、「飼育」「育成」の違いを分かりやすく説明していきます。

「飼育」と「育成」の違い

「飼育」「育成」の違いについて紹介します。


「飼育」と「育成」の使い方の違い

「飼育」「家畜や鳥などを飼って育てること」に使われます。

個人や組織に限らず、動物にエサを与えたり、世話して育てることを表します。

「育成」「人や動物、植物などを立派に育て上げること」に使われます。

何らかの目的があり、それを目指して人や動物、植物などを好ましい状態に導くことを言います。


「飼育」と「育成」の英語表記の違い

「飼育」の英語表記は以下の通りです。

1つ目は「have」で、動物を飼うことを表す時に最もよく使われる単語です。

日本では「have」というと「持つ」という意味が定着していますが、英語の「have」「所有する」「催す」という意味で幅広く使われます。

“I have two dogs.”
(私は犬を二匹飼育しています)
2つ目は「raise」で、牧場で家畜を「飼育する」という意味で使われます。

“He moved to the countryside and started raising farm animals.”
(彼は田舎に引越しして家畜を飼育し始めた)
「育成」の英語表記は以下の通りです。

1つ目は「personnel training」で、「職員の訓練」=「人材育成」というニュアンスです。

“She is in charge of the personnel training program in our company.”
(彼女はわが社における人材育成プログラムの担当者になります)
2つ目は「personnel development」で、「職員の開発」=「人材育成」というニュアンスです。

“It is important to make estimate for the personnel development.”
(人材育成に予算を立てることは重要だ)

「飼育」の意味

「飼育」「しいく」と読みます。

意味は「家畜など、動物を飼い育てること」です。

牛や豚、ヤギや羊、鶏などの家畜や、小鳥、金魚、カメなどの小動物にエサを与えたり、掃除をしたりなど面倒を見ることを言います。

「飼」「かう」とも読み、「エサを与えて養う」という意味、「育」「そだてる」とも読み「やしなう」「はぐくむ」という意味、「飼育」「エサを与えて養う」になります。

「エサを与える」という意味ですので、人間には使われません。

場所は自宅や農家から学校、公共施設など問わず、動物を飼うこと全般に幅広く使われる表現です。

「飼育」の使い方

「飼育」「家畜など動物を飼い育てること」に使われます。

「飼育する・した」と動詞を伴って使われたり、「飼育して」と副詞として使われたりします。

「飼育」は動物を育てることですが、犬や猫など人間と生活と共にしている動物は、気持ちが寄り添っていることから、支配的な意味の「飼育」よりも「飼う」が使われることが多くなります。

また、学校では「飼育係」といえば、飼育小屋などにいる動物たちの面倒を見る役割をする児童のことを言います。

「飼育」を使った例文

・『彼は山に土地を購入して別荘を自分で建てて、ヤギの飼育を始めたそうだ』
・『家畜を飼育するのは大変で、エサをやるので朝は早いし腰は痛いし、365日休みがない』
・『このマンションではペットの飼育は禁止されています』
・『彼女は爬虫類が好きで、トカゲや蛇を飼育したいと言っている』
・『動物園の飼育係は、動物になつかれてうらやましいと思うこともある』

「飼育」の類語

「畜産(ちくさん)」
「牛・豚・鶏などの家畜を育てて、人間の生活に必要な肉・卵・皮などを生産すること」という意味です。

「畜産業の友人の家に泊めてもらったら、朝生みたての卵を食べさせてくれた」などと使われます。

「世話する(せわする)」
「面倒をみること」「一生懸命尽くすこと」という意味です。

「入院した時に看護師さんに色々と世話してもらえてありがたいと思った」などと使われます。

「飼育」の対義語

「栽培(さいばい)」「植物を植えて育てること」という意味です。

「高原にあるレタスの栽培農家で収穫のアルバイトをした」などと使われます。

「育成」の意味

「育成」「いくせい」と読みます。

意味は「人や動物、植物などを育てて立派にすること」です。

人や動物、植物などを、ある目的に見合う様にする為に立派に育て上げることを言います。

ただ衣食住の面倒を見たり、エサをあげたり、世話を焼くのではなく、きちんとした計画に基づいて育てていくことを表す言葉です。

「成」「一人前になる」という意味、「育成」「一人前になる様に養うこと」になります。

「育成」は、プロ野球でよく使われる表現で、ドラフト指名外であるものの、育てれば大きく成長するのではないかと思う選手を指名して、訓練することを言います。

「育成」の使い方

「育成」「人や動物、植物などを立派に育て上げること」に使われます。

「育成する・した」と動詞を伴って使われたり、「育成して」と副詞として使われたりします。

人だけではなく動物や植物にも使われますが、人の場合は特に目的意識が高く、ある分野で認められるようになるまで育てることに使われます。

練習や訓練する場合でも、学校の様に最初から最後まで教えるのではなく、本人の自主性に任せることが多くなります。

「育成」を使った例文

・『管理職の役割は部下の管理だけではなく育成することも含まれている』
・『優秀な人材を育成するためにはそれなりの研修が必要だ』
・『部署のお局様は人望があるので、部長から後輩の育成を任されている』
・『植物を育成して園芸農家にノウハウを教えたい』
・『営業マンを育成する為に、お手本となるトップセールスを引き抜いた』

「育成」の類語

「訓練(くんれん)」
「あることを継続的に教えたり練習させたりして身に付けさせること」という意味です。

「厳しい訓練に耐えてようやく一人前になった」などと使われます。

「養成(ようせい)」
「養い育てること」「指導して一定の技能を身につけさせること」という意味です。

「モデルになりたくて養成所のオーディションを受けた」などと使われます。

「育成」の対義語

「放任(ほうにん)」
「干渉しないでやりたいようにさせること」という意味です。

「上司は放任主義だ」などと使われます。

まとめ

今回は「飼育」「育成」について紹介しました。

「飼育」「動物にエサをやって養うこと」「育成」「人や動物を立派に育てること」と覚えておきましょう。