この記事では、「意見」と「主張」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「意見」と「主張」の違い
「意見」には、2つの意味があります。
1つめは、自分がこうであると考えたものです。
もう一つは、他人の過ちについて自分の考えを述べて、悪いところを改めさせようとすることです。
「主張」には、自分の考えていることを述べて、相手を説得しようとするという意味があります。
どちらの言葉にも、自分が考えていることという意味がありますが、ややニュアンスが異なります。
「主張」の場合は、こうであると自分が思うところを言って、相手を変えようとしたり、相手に認めさせようとしたりしています。
たとえば、ある計画をやめるべきだと考えていた人がいたとします。
自分だけで考えた計画ではないので、計画をやめさせるためには、他の人を説得しなければなりません。
このときに、「やめるべきだ」という自分の考えを述べて、それによって他の人たちを動かそう、この考えを認めさせようとしています。
ただ考えていることを述べるのではなく、それを認めさせようという意味を含む言葉です。
「意見」の場合は、認めさせようという意味は含まれていません。
「その計画はやめた方がいい」と自分の考えを言うことを「意見」ということができ、この場合は計画をやめることを他の人に認めさせようという強い考えはないことになります。
「意見」と「主張」の使い方の違い
自分が考えたこと、心に思うことについて「意見」を使用します。
また、他の人の過ちを指摘して改めさせようとすることという意味でも使用されます。
自分が考えたことや心に思うことを言って、それを相手に認めさせようとすることについて「主張」を使用します。
「意見」と「主張」の英語表記の違い
「意見」は英語で“opinion”や“idea”や“view”と表現をします。
「主張」は英語で“insist”や“assert”と表現をします。
「意見」の意味
「意見」には、2つの意味があります。
1つめは、ある問題に対して、自分が予測したもの、判断したこと、心に思うことです。
あるイベントが開催されることになりました。
しかし、このイベントは本当に開催していいのかという考えもあります。
ある人は「開催すべきだ」といいます。
しかし、別のある人は「やめた方がいいと思う」といいます。
また別の人は「どっちでもいい」といいました。
これらの発言が「意見」になります。
どの人も、イベントを開催するのかという問題に対して、自分がこうであると出した結果を述べています。
縦長のカップに入っている、温めればすぐに食べられるおでんがあります。
この商品に対して、「屋外での活動によいのでは」という考えが述べられています。
この考えが「意見」です。
それを言って誰かを変えよう、自分が言っていることを認めさせようという意図はありません。
もう一つの意味は、自分の考えを述べて、相手の過ちを指摘して改めさせようとすることです。
会社の後輩が頻繁に遅刻をします。
このことに対して「もう少し早く出勤しましょう」といいました。
これは、遅刻という過ちを指摘して、遅刻を改善させようとしているということができます。
「意見」の使い方
ある事柄について、自分が出した判断、予想したもの、心に思うことについて使用をします。
よく考えた結果のものもあれば、あまり考えていないものもあります。
たとえば、今日は外食するかということを問われて、それに対して「外食する」または「外食しない」と答えたとします。
これらはあまり深く考えずに出たものです。
国の重要な事柄を決める会議で、考えを述べたとします。
重要な事柄なので、いい加減な判断はできません。
これは、よく考えて出したものです。
「意見」を使った例文
・『こんな意見がありました』
・『意見を言っていいのか迷った』
・『あなたの意見を聞きたいです』
・『相手の意見に耳を傾ける』
「意見」の類語
「見解」が類語です。
よく考えたうえでの物事に対する考えという意味があります。
「意見」の対義語
対義語はありません。
「主張」の意味
「主張」とは、ある物事に対する考えや判断などを述べて、他の人に認めさせようとすることです。
ある人が事件にかかわっている疑いがあるとされていました。
しかし、疑いがかかっている人は、自分は関係ないと言い張り、何としても自分は関係ないということを認めさせようとしていました。
このように、自分の考えを言って、相手にそうであると認めさせようと強く言うことを意味する言葉です。
あるところで、森林を切り開いてゴミの埋め立て地にしようという話が出ていたとします。
これに対して周囲の住民は、絶対にやめるべきだと言います。
強く言って相手に認めさせないと、ゴミを埋め立てられてしまうことになります。
そのため、絶対にやめるべきということを繰り返しいい、強く訴えました。
このように、認めさせるために強く訴えることを意味する言葉です。
「主張」の使い方
ある問題に対して考えを述べて、相手に認めさせようとすることについて使用をします。
何かを言って、それに対して別の人が否定をし、すぐに自分の考えを言うことをやめてしまう場合には、「主張」とはあまり使いません。
すぐにあきらめてまうようだと、相手に認めさせようという気持ちが感じられません。
「主張」を使った例文
・『遠足に行かないと主張する』
・『この作品は重要であると主張する』
・『主張が通るまであきらめない』
・『この方法を採用すべきだと主張した』
「主張」の類語
「力説」「強調」が類語です。
「力説」には、相手が十分に理解して得心するように、力を込めて口に出すという意味があります。
「強調」とは、ある事柄を強く主張すること、ある部分を目立つように表現することという意味があります。
「主張」の対義語
目立たないようにするという意味で「控えめ」が対義語です。
まとめ
考えを述べるという意味を持つ2つの言葉ですが、「主張」には認めさせようとするという意味が含まれている点が違います。