「絶滅」と「撲滅」の違いとは?分かりやすく解釈

「絶滅」と「撲滅」の違い生活・教育

この記事では、「絶滅」「撲滅」の違いを分かりやすく説明していきます。

「絶滅」とは?

「絶滅」には3つの意味があります。

1つめは、生物の種などが完全にいなくなくなってしまうです。

かつて、北大西洋と北極圏近くの島や海域にオオウミガラスという生物が生息していました。

この生物は、ペンギンのような見た目です。

海中を素早く泳いでイカや魚などを捕食することができますが、陸上ではよちよち歩きをします。

人間への警戒心がなかったといわれ、脂や羽毛を得るために大量捕獲され、地球上から姿を消してしまいました。

この生物は「絶滅」したとされています。

2つめの意味は、すっかりなくすことです。

交通事故の件数はゼロであることが望ましいです。

交通事故をすっかりなくすことなどが、この言葉の意味になります。

何らかの作用を加えてない状態にすることをいいます。

3つめは、レッドリストやレッドデータブックで、生物が完全にいなくなってしまう危険性の高さによって分類したカテゴリーの一つです。

レッドリストのカテゴリーの中では、「絶滅(EX)」と表記されています。


「絶滅」の使い方

すっかりなくなるという意味で使用をしています。

とくに生物について用いられる言葉です。


「撲滅」とは?

攻め滅ぼすことです。

完全になくすことをいいます。

自然となくなってしまうことではなく、力を加えてなくすことです。

白アリは家屋の木材をダメにしてしまうので、見つけたらすぐに対応をします。

殺虫剤をまく、専門業者に依頼をするなどの対応の仕方があります。

働きアリがいなくなったと思っても、女王が残っていると卵を産んでまた繁殖してしまう可能性があります。

また、人間の目につかないところに潜んでいる可能性もあります。

そのため、家屋を守るためには徹底的に絶えさせなければなりません。

専門業者がやってきて、殺虫剤をまくなどして、完全にいなくなりました。

このように、外から力を加えて徹底的に絶えさせることを指す言葉です。

「撲滅」の使い方

力を加えて徹底的になくすことを指して使用をします。

自然になくなることには使用しません。

「絶滅」と「撲滅」の違い

前者は、自然になくなる場合も、人間の力によってなくなる場合も含みます。

特に生物がいなくなってしまうことをいいます。

後者は力を加えて完全になくすことです。

力を加えた場合にだけいいます。

生物がいなくなるという意味でも使えますが、この場合は滅ぼすという意味合いで使います。

「絶滅」の例文

・『多くの生物が絶滅してしまった』
・『絶滅を防ぐ活動』
・『絶滅の危機に瀕している』
・『絶滅しそうな種』

「撲滅」の例文

・『犯罪の撲滅』
・『児童虐待の撲滅』
・『格差の撲滅』
・『撲滅のためのキャンペーンを展開する』

まとめ

なくすという意味が似ていますが意味合いが異なり、一方は生物がいなくなってしまうこと、もう一方は力を加えてすっかりなくすことです。

使い方にも違いがあります。