「塚」と「墓」はどちらも地面に築く構造物を指す言葉ですが、具体的にはどのような違いを基準にして区別されるのでしょうか。
今回は、「塚」と「墓」の違いを解説します。
「塚」とは?
「塚」とは、「他よりも高く盛り上げられた場所」を指す言葉です。
「塚」の使い方
他の場所と比べて高く盛り上げられている小高い場所を指します。
一般的には土を盛り上げて高くした場所を指しますが、石を高く積み上げた場所やレンガやコンクリートで高く築き上げた場所も「塚」に含まれます。
作られる目的は様々で一里塚などの目印として作られるものや記念碑的な性質を持つもの、信仰の対象を示す標識としての役割を持つものなどいろいろな「塚」が存在します。
目的があって作られたものだけではなくゴミが堆積してできた貝塚も「塚」の一種です。
「墓」とは?
「墓」とは、「遺体を埋葬した場所」を意味する言葉です。
「墓」の使い方
人など生き物が亡くなった時は死者を弔うため遺体を土に埋めて埋葬します。
遺体の埋葬場所には石を置いたり碑を立てたりして弔いますが、遺体の埋葬場所と埋葬場所の上に築かれた施設や設備を合わせて「墓」といいます。
宗教的な性質を帯びていることが多い「墓」は宗教のしきたりに従って建てられることが多く形状は様々です。
宗教性を帯びていない「墓」もありますが、日本国内で墓を建てるには場所や埋葬手順などが法律によって定められているため好き勝手に立てることは許されません。
「塚」と「墓」の違い
地面を高く盛り上げた場所が「塚」、地中に遺体を埋めて弔う場所が「墓」という違いで区別されます。
古代の「塚」には遺体が納められたものもありますが、現代 では高さや設置物などで他の場所と区別しされている場所を「塚」と呼んでいます。
「塚」の例文
・『山奥で古い塚を発見する』
・『塚の中から興味深い出土品が発掘された』
「墓」の例文
・『遺体を埋めて墓を作る』
・『ピラミッドも古墳も古代の墓である』
まとめ
かつての「塚」と「墓」はよく似たものでしたが、現代でははっきりと異なる別物として扱われています。
古いものだと区別があいまいなことも多いので本来の言葉の意味を正しく覚えておきましょう。