「不穏」と「不吉」はどちらも普通ではないただならぬ様子を表す言葉ですが、この2つは具体的にどのような違いで使い分ければいいのでしょうか。
今回は、「不穏」と「不吉」の違いを解説します。
「不穏」とは?
「不穏」とは、「穏やかではなく何かが起こりそうな雰囲気」を意味する言葉です。
「不穏」の使い方
平和な状態を乱すような何事かが起こりそうな雰囲気に対して用いられる表現で、一般的には揉め事が起きそうな空気を表す意味で使います。
これからのトラブルを意味する言葉なので平和な状態において潜在的に火種がくすぶっている様子を表します。
「不吉」とは?
「不吉」とは、「良くないことが起きる前兆」を意味する言葉です。
「不吉」の使い方
これからの不幸を予想させるような出来事や物事を表します。
小さなミスなどそのもの自体が不幸な場合もありますが、将来の不幸を連想させるだけでそのもの自体には特に意味がないこともあります。
例えば黒猫が前を横切るのは「不吉」だとされるものの黒猫が前を横切っても具体的な影響はありません。
デメリットはなくても不幸を連想してしまうのであれば「不吉」に当たります。
「不穏」と「不吉」の違い
トラブルや揉め事などが起きそうな雰囲気が「不穏」、悪い事が起きそうな予感が「不吉」という違いで区別されます。
「不穏」が多くの人や集団の雰囲気から感じられるのに対し、「不吉」は特に根拠なく迷信じみた理由から感じられます。
どちらも将来的な変化の前兆を表していますが「不穏」は社会的あるいは物理的な良くない変化、「不吉」は運の悪さに起因する変化を意味し訪れる未来は全くの別物です。
「不穏」の例文
・『不穏な空気が渦巻いている』
・『一触即発の不穏な空気が漂う』
「不吉」の例文
・『靴ひもが切れたので不吉な予感がする』
・『カラスが群がる不吉な雰囲気の家』
まとめ
同じただならぬ様子を表す言葉でも「不穏」と「不吉」では表している内容が全く異なります。
それぞれの意味を正しく理解して使い分けてください。