この記事では、「依頼」と「お願い」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「依頼」と「お願い」の違い
「依頼」とは、自分がこうして欲しいということを、他の人がやってくれるように求めることです。
「お願い」には、5つの意味があります。
1つめは、こうなって欲しいと思うことが現実になるように神仏に祈ることです。
2つめは、こうなって欲しいと思うことが叶うことを望むことです。
3つめは、こうして欲しいと人に頼むことです。
4つめは、公の機関に希望を申請することです。
5つめは、お店でお客さんが売り物を手にし、代金を支払って購入をしてもらうことです。
「依頼」の意味と、「お願い」の意味の中にある、こうして欲しいと人に頼むことという意味はほぼ同じですが、「依頼」の方がかしこまった言い方になります。
「お願い」には数多くの意味があり、神仏に祈ることや何かが叶うことを望むことなどの意味は、「依頼」にはありません。
「依頼」と「お願い」の使い方の違い
他の人に、自分がこうして欲しいと思うことを他の人に求めることについて「依頼」を使用します。
これをやって欲しいということを他の人に伝えて、そうなるように願うことについて「お願い」を使用します。
「依頼」はややかしこまった言い方で、仕事の場合だと他社に何かをしてもらうときに使用します。
このときは「お願い」よりも「依頼」という事が少なくありません。
仕事の場面でも、部下にコピーをとってもらうなどは、「お願い」を使用することが多いです。
「依頼」と「お願い」の英語表記の違い
「依頼」は英語で“request”と表現をします。
「お願い」は英語で、こうして欲しいという意味では“wish”と表現をし、神仏への祈りの意味では“prayer”と表現をします。
「依頼」の意味
「依頼」とは、他の人にやらなければならないことを伝えて、そうなって欲しいとやってもらうよう願うことです。
主に事務的な手続きや業務などについてをいいます。
雑貨を販売しているある企業があったとします。
その企業は、手作りキャンドルを作成しているアーティストに目をつけました。
このアーティストが作る手作りキャンドルを仕入れて、販売しようと考えたのです。
そこで、アーティストにキャンドルを作ってくださいということを伝えました。
キャンドルを作ってくださいというのは、他の人にやってもらいたいことということができます。
そして、企業側はそれが実現するように願っています。
やって欲しいことを伝える、伝えたやって欲しいことを他の人が実現してくれるように求める、それが「依頼」です。
やって欲しいと伝えたからといって、必ずしもやってくれるのではなく、伝えたことを断られてしまうこともあります。
「依頼」をしたことは強制ではなく、伝えられた側が受け入れるのか、断るのかを判断することができます。
「依頼」の使い方
こうして欲しいということを他の人に伝えて、他の人がその実現をしてくれることを求めることについて使用をします。
使用される場面は、主に事務手続きが必要とされること、業務にかかわることです。
水道修理屋さんに水道の修理をしてもらうとき、料金が心配になります。
実際に修理してもらう前に、だいたいこれくらいという料金を出してもらうことができます。
だいたいの料金を出してもらいたいとき、それを水道修理屋さんに伝えれば、料金を出してくれます。
これは事務・業務にかかわることです。
このような場面で使うことができ、水道修理の例だと、料金を出してくださいと伝えることが「依頼」です。
「依頼」を使った例文
・『依頼した通りの品物が完成した』
・『何度も依頼を受けています』
・『たくさんの依頼をいただいています』
・『探偵に依頼が殺到する』
「依頼」の類語
「頼む」が類語です。
こうして欲しいと他の人に伝えて、その実現を願うことという意味があります。
日常のさまざまな場面で使用することができ、「依頼」よりも砕けたいい方です。
「依頼」の対義語
対義語はありません。
「お願い」の意味
「お願い」は、「願い」に「お」をつけた謙譲語・美化語です。
「願い」には、5つの意味があります。
1つめは、神仏に祈ることです。
神社やお寺などに行くと、拝殿の前で手をあわせて、こうなって欲しいというものを伝えることがあります。
これが「お願い」です。
神仏に祈ることは、神社やお寺などでなくてもでき、神社やお寺以外で祈ることも「お願い」といいます。
2つめは、そうなればよいと思うことを求めることです。
自分のことについてではなく「成功を願う」のように、他人のことについての意味があります。
3つめは、こうして欲しいと他の人に頼むことです。
ティッシュが必要ですが、自分よりも母の方がティッシュに近い位置にいました。
そこで、母にティッシュを取ってと頼みました。
このような意味です。
「お願い」をされた相手は、必ずやらなければならないのではなく、断ることができます。
4つめは、公の機関に申請することです。
役所などに書類を出して何かを求めたりする意味になります。
5つめは、お店でお客さんに商品を購入してもらうことです。
「お願い」の使い方
「お願い」には、いくつかの意味がありますが、自分がこうして欲しいと思うことを他の人にやってもらう意味で使用されることが多い言葉です。
日常のことだと、食器を洗ってと頼む、ゴミ出しをしてと頼む、これを買ってきたと頼むなどがあります。
「お願い」を使った例文
・『お願いを聞いてくれた』
・『猫のお願いポーズがかわいい』
・『3人でお願いされると断りにくい』
・『アイスを買ってきてとお願いする』
「お願い」の類語
「望む」「求める」が類語です。
「望む」には、こうして欲しいと相手に思う意味があります。
「求める」とは、相手に要求することです。
「お願い」の対義語
対義語はありません。
まとめ
こうして欲しいものを相手に求める意味がある2つの言葉で、ほぼ同じ意味の部分がありますが、「お願い」にはいくつもの意味があり、この言葉だけが持つ意味もあります。