この記事では、「社会主義」と「共産主義」の違いを分かりやすく説明していきます。
「社会主義」とは?
「社会主義」とはすべての生産手段を社会に委ねることで、すべての国民が平等な扱いを受けられるようにしようという思想です。
貧富の格差が激しい時代に生まれた考え方であり、全ての生産活動を社会的に共有し国が計画管理を行い、国民全員がその計画に従って労働し国から報酬を得るならば格差は生まれないはずだという考えが基になっています。
そのため「社会主義」では全ての企業が得た利益は全て国に集められ、国民の給料も国が管理して分配するという形です。
「共産主義」とは?
「共産主義」は「社会主義」をより先鋭化させ発展させた思想で、生産手段だけでなく財産すらも社会全体に委ねて共有することで真に平等な社会になるはずだという思想です。
個人が所有する私財がないからこそ貧富の差も起こりえず、あらゆる生産手段も共有されていることから階級もなく、それゆえに人が人を搾取することもあり得ないという思想になります。
「社会主義」と「共産主義」の違い
「社会主義」と「共産主義」の違いを、分かりやすく解説します。
工業などの生産手段を社会全体で共有することで平等な社会を目指す思想が「社会主義」で、生産手段だけでなく財産も社会全体で共有することで真に平等な社会を目指す思想が「共産主義」です。
「社会主義」では個人の財産を持つことが可能ですが、「共産主義」では個人の財産を持つことはできずすべての財産も社会で共有されます。
また「社会主義」は生産手段が共有化されてもそれを稼働させる計画を立てて実行させるのに国のリーダーが必要とされますが、「共産主義」は階級という不平等もなくすために階級廃止も思想に含まれているので統治者も必要としません。
まとめ
貧富による不平等への不満から生まれ平等化を目指した思想としてまず「社会主義」が生まれ、それをさらに追求したものが「共産主義」です。
より発展させたことから「共産主義」の方が理論上優れる点もありますが、先鋭化しすぎている点もあるので「共産主義」という思想がある現在でも「社会主義」の方が優れているという人もいます。