この記事では、「コーキング」と「シーリング」の違いを分かりやすく説明していきます。
「コーキング」とは?
「コーキング」という言葉には、「隙間を埋める、水漏れを防ぐ」といった意味があります。
主に建築物などに対して、気密性や防水性を高めるために、部材同士の隙間を目地材などで埋めていく工程を「コーキング」と言います。
目地を埋めるためにパテと呼ばれる素材を用いますが、そのパテとして、コーキング材、コーキング剤、充填剤などと複数の名称があります。
窓枠の周囲やタイルの継ぎ目、その他各種部材の境目や隙間に施される工程です。
「シーリング」とは?
「シーリング」という言葉には、「封印すること」という意味があります。
気密性や防水性を高める目的、また、防音や断熱のために隙間などを塞ぐ工程を「シーリング」と呼んでいます。
シーリングに用いる充填材のことをシーリング材、あるいは、シーリング剤、シーラントやシーラーなどと呼んでいます。
一般家屋にも、ガスや水道の配管、壁のひび割れの補修など幅広く使われています。
「コーキング」と「シーリング」の違い
「コーキング」は、語源として昔の造船業から来ていると言われています。
造船作業の際に、水漏れなどを防ぐために隙間を埋める工程があったことから、現代の建築業において、同様の作業工程を「コーキング」と呼ぶようになったそうです。
対して、王様や貴族などが書類や密書などに封印をすることを「シーリング」と呼んでいたそうで、その言葉の名残が現代の建築関係などの作業工程にも見られるわけです。
メーカーによっても同じ隙間を埋めるための部材でも「コーキング剤」や「シーリング剤」と名称も混同しており、一般的には「同じもの」として扱われています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
「コーキング」と「シーリング」は、作業工程としては同じ「隙間を埋める材料とその工程」を指した言葉であることが分かりました。
また、諸説ありますが、語源として、造船から来た「コーキング」と封書から来た「シーリング」の違いがあるようです。
歴史の観点から、後に蒸気機関が開発され、その作業工程では「シーリング」が使われていたことから、蒸気機関車から自動車へ発展した現代でも、自動車業界では「シーリング」と呼ぶことが多いそうです。
語源や歴史を振り返ると、言葉の変遷が映し出されます。