「木綿」と「綿」はどちらも身近な素材ですが一体どのような違いで区別されているのでしょうか。
今回は、「木綿」と「綿」の違いを解説します。
「木綿」とは?
「木綿」とは、「植物のワタの種子に付着する繊維を加工して作られる繊維製品」です。
「木綿」の使い方
植物のワタを原料に作られる植物由来の繊維製品で、一般的には糸や布に加工されたものに対して用いられる呼び方です。
軽量で強度が高く衣服などに使用すると丈夫で長持ちすることから様々な製品に用いられています。
しっかりと汗を吸収してくれるので夏服に向いているほか、保温性の高さを活かして防寒着としても使われているオールシーズン対応の繊維素材です。
「綿」とは?
「綿」とは、「植物のワタから作られる繊維製品もしくは蚕の繭から作られる繊維製品」です。
「綿」の使い方
現在では「綿」というと植物のワタから取れる繊維を原料に作られる繊維製品を指しますが元々は蚕の繭からとれる繊維、つまり「絹」を指す言葉でした。
大陸から伝わってくるまで日本では「絹」が主な高級繊維でしたが大陸から綿が伝わってくるとその丈夫さと使いやすさが評価されて一気に広まります。
それまでは絹のことを「綿」と読んでいましたが植物のワタから作られる繊維が主流になるにつれて意味が置き換わり現在に至ります。
絹のことを「真綿」と呼ぶのは古い時代の名残です。
「木綿」と「綿」の違い
「木綿」と「綿」は同じものを指しています。
本来は「木綿」がワタの種子を指し、「綿」がワタから取れる白い繊維を指すというように使い分けられていましたが現在では全く同じ意味で使われています。
糸や布など加工済みのものを指す場合には「木綿」、製品の素材を表すときには「綿」と使い分けることもありますが厳密な基準はなく、同じ繊維の異なる呼び方です。
まとめ
「木綿」と「綿」は同じものです。
語感や響きで使い分けられているだけで意味としての違いはありません。
別々の素材だと勘違いしないように注意してください。