この記事では、「蒸留」と「分留」の違いを分かりやすく説明していきます。
「蒸留」とは?
「蒸留」とは、溶液などの混合物に対して、混合物に含まれる物質の沸点の違いを利用して、分離させて抽出する方法のことです。
日常的によく見聞きする「蒸留」としては、「蒸留酒」があります。
醸造酒を蒸留することで、高濃度のエタノールが抽出でき、アルコール度数の高いお酒を作ることが出来るわけです。
「分留」とは?
「分留」とは、正式名称を「分別蒸留」といいます。
つまり、「分留」は略称です。
3種類以上の混合物に対して、沸点の違いを利用して、物質を順番に蒸留し分離することで抽出する方法です。
分留を用いて物質を抽出する代表として「石油」が挙げられます。
「石油」は、多くの物質を含む炭化水素の化合物です。
この石油に含まれる、石油ガス・ナフサ(ガソリン)・灯油・軽油・重油を沸点の高い順に分留することで、それぞれの物質を抽出しています。
「蒸留」と「分留」の違い
物質の沸点の特性を利用した抽出方法が「蒸留」で、「分留」は「蒸留」の手法のひとつと言えます。
混合液などを熱すると、沸点に達した液体は気化し始め、蒸気となります。
その蒸気を集めて冷却することで、再び液体へ戻すことが出来ます。
この仕組みが「蒸留」です。
数種類の液体が含まれる混合液を蒸留すると、沸点の低い順に気化が始まります。
その蒸気を個別に集めて冷却装置で順番に液体へ戻していくのが「分留」です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
「蒸留」と「分留」は、物質の沸点に着目した、抽出方法の呼び方です。
また、「分留」は「蒸留」の手法のひとつであることが分かりました。
蒸留は、中学校1年の理科で習います。
「水とエタノールの混合液」を、蒸留器具を用いて理科の蒸留実験をしたことを覚えている方も多いでしょう。
私たちの身の回りでは、お酒や石油などが「蒸留」の技術によって生成や分別されています。
特に、お酒好きの方はお詳しいのではないでしょうか。